『(科学特捜隊は)何でもかんでも怪獣呼ばわりして殺してしまう恐ろしい人たちだわ!』
『怪獣は所詮、人間社会には入れてもらえない悲しい存在なんだ』
15年前、雪山で行き倒れた母娘。母親は飢えと寒さで死亡。奇跡的に命を繋いだ赤ん坊。
しかし、よそ者であったが故に村に受け入れられず、雪女の娘、雪ん子として迫害され続ける少女ユキ。
ユキを守る怪獣ウーは死んだ母親の化身なのか。
(1967年2月5日放送/樋口祐三監督・金城哲夫脚本)
まつろわぬ者を描かせたら右に出る者は佐々木守と上原正三しかいない金城脚本。
孤独な子供と庇護者としてのよそ者(怪獣or宇宙人)、差別の理由をひねり出して迫害を続ける現地人という図式は、後にシリーズ最大の問題作となる「帰ってきたウルトラマン/怪獣使いと少年」(脚本:上原正三)の原型。
娘を守る母という意味では、「怪奇大作戦/最終話・ゆきおんな」のプロトタイプと言えるかもしれません。
ウルトラマンが倒せなかった数少ない怪獣のひとつです。
子供達が雪ん子を苛めるために掘った落とし穴。酔ってそこに墜ちて凍死した村人。全てを雪ん子のせいにして猟銃片手に山狩りを始める狩人たち。
ラスト、「雪ん子はどうなった?」というイデの問いに、ハヤタは「山に帰ったそうだ」と答えていますが、あの絵柄はどう見ても…(写真一番下)。
索漠とした後味の残る(金城節全開な)一編です。