デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

女子に君づけ萌え。 アイアンキング/宇虫人タイタニアン編

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北米版THE COMPLETE SERIESのレビューもいよいよ最後。


トリを飾るのはシリーズ初の異星人、タイタニアン。

アイアンキング/宇虫人タイタニアン編」
(第18話-26話/全話佐々木守脚本)


どう見ても「Vフォー・ヴェンデッタ」(写真2枚目)の出来損ない(勿論こっちのが先ですが)な10人組。

このままの姿で巨大化した後、昆虫怪獣に変身します。

日本原住民、革命集団の次が昆虫とは意表をつく展開ではありますが、本クールの見所は人間側新レギュラーの藤森典子(右京千晶。写真一番下右)でしょう。

ひとたび出撃したら帰還はおろか報告すらしようとしない静弦太郎(石橋正次)と霧島五郎(浜田光夫)に業を煮やした国家警備機構が派遣したお目付け役。

真面目すぎて融通の利かない、お役所の鑑のようなキャラですが、静・霧島コンビがそんなものに怯むはずもなく、初回から「♪典子のノリは辞典のテン」とからかわれ、“テンコ”というあだ名までつけられてしまいます。

男から自由を奪い束縛する女という見ようによっては鬱陶しい事この上ないキャラですが、「女子から君づけで呼ばれるとキュンと来る男子」にとってはなかなかのご馳走。

高飛車に「静くん!」と言っていたのが「弦太郎さん!」になり、最後には「弦太郎の馬鹿!」になるというのもお約束。

たった一人の脚本家が世界観の全てをコントロールした異能のヒーロー、アイアンキングは、「シルバー仮面」が倒せなかった宿敵「ミラーマン」に勝利したものの、「マジンガーZ」に返り討ちに遭い(視聴率の話ですよ)、本クールを以って終了となりました。

特殊な思想に裏打ちされた余人を以って代えがたい番組ですが、井口さん、次これを偏差値貧乏に換骨奪胎して映画化してくれませんか?!