デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

実質シリーズ最終回。 仕事人大集合

イメージ 1
『付き合いは短い方が楽しいぜ。長生きしろ』

必殺シリーズ10周年記念。特別企画にして実質的最終回。

「仕事人大集合」(1982年10月1日放送/工藤栄一監督)

時間軸で言うと「新・必殺仕事人」の後日談で、翌週から始まる「必殺仕事人Ⅲ」の前日談。

つまり、この1週間後から、ひかる一平が登場する訳です。

三田村邦彦に端を発する必殺アイドル路線(腐女子呼び込み路線)が大輪の花を咲かせる直前。大人必殺最後の徒花。

まあ、工藤栄一が監督したにしては演出に全くキレがなく、大味な出来になっているのが残念無念ですが、歴代レギュラーがシリーズの枠を超えて次々と顔を出す特別興業だと割り切ればそれなりに愉しめます。

ただ、ゲストキャラの扱いがちょっとねえ。エクスペンダブルズな使い捨て感満載。

東の元締・鹿蔵(二代目中村雁治郎)、西の元締・虎(藤村富美男)が剃刀のような眼光で出てくるのは良いのですが、大した見せ場もなくあっさり退場(どっちも拳銃で蜂の巣)。

勿体無いにも程があります。仮にも元締ですよ。ひとりふたり道連れにしながら大見得のひとつも切って大往生させてあげるべきでしょう。

凄みと哀しみが表裏一体となって初めて必殺じゃないですか。

出番は僅かでしたが、緒形拳(知らぬ顔の半兵衛@必殺必中仕事屋稼業)と沖雅也(棺桶の錠@必殺仕置人)の二人は出てきただけでとんでもないオーラを撒き散らしておりました。流石です。が…

『久しぶりに八丁堀に会うのも楽しみだ』

なんて台詞がありながら(単純に撮影スケジュールの都合なんだとは思いますが)、棺桶と主水の邂逅シーンが無いのは納得がいかないなあ。