タイトルバックから嫌ぁな雰囲気。そこから名詞代わりの(直球過ぎる)「ハロウィン」「サイコ」パロディ。
さあ、フーパー先生のカーニバルに出かけましょう。
「ファンハウス/惨劇の館」
(1981年/トビー・フーパー監督)
冒頭いきなりヒロインが乳出しの大サービス。しかし、景気良く垂れているというギャップがB級の誉れを上塗り。駄目なのよ、ここが張り張りのダイナマイト・ティッツじゃ。
2組のカップルがカーニバルのお化け屋敷で一夜を過ごそうとしてエラい目に遭うというシンプルな作りですが、そこに辿り着く前が“いい感じ”。
一般的には“退屈”な場面かもしれませんが、カーニバルのいかがわしさを堪能する事ができます。
特に見世物小屋。お化け屋敷は全部作り物なので「ああ面白かった」で済みますが、見世物小屋は(インチキも含め)後々まで嫌ぁな感じが残ります。
ここの目玉は畸形牛。顔の横に顔がついているシャム牛がお出迎え。
※現物を見たい人は伊豆高原にある「怪しい少年少女博物館」へ。シャム牛の剥製が展示してあります。
で、お化け屋敷(ファンハウス)。
全部作り物のはずが、ホンモノのフリークがいたからさあ大変(特殊メイクはリック・ベイカー)。
中に閉じ込められて、フリークとその父親に狩られて行く、という主展開と、お化け屋敷の周りをウロウロしている垂れ乳姉ちゃんの弟、という従展開で構成されているのですが、このふたつが全く交わらないという仰天脚本。
普通なら中と外で某かの連携があるとか、外の行動が何らかの形で中に影響を及ぼすとかありそうなものですが、これが無い。かすりもしない。
いやあ、この弟、何のために出てきたんだ。さすがフーパー(笑)。
あと、本来、街から街へ流れ歩くサーカスみたいな一団なので、どの施設もバラしやすい構造になっているはずなのに、お化け屋敷だけやたら堅牢な多層構造になっていたのが可笑しかったですね。