
『老人たちがずっと閉ざしてきたパンドラの箱をついに開けてしまうのか…』
劇場版「天」の前にテレビシリーズ(スペシャル含む)をおさらいしておこうかと思ったのですが、こういう遡及的予習復習は大変だなあ。
まあ、エヴァの「新劇場版」から嵌って、テレビシリーズ、旧劇場版(春エヴァ・夏エヴァ)と遡って追いかけた人に比べれば楽なものだとは思いますが…。
「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~(長い、長すぎる!)」(2010年10月8日~12月17日/堤幸彦演出)
「ケイゾク」と同じ地平に立ってはいますが、相手がスペックホルダーと呼ばれる特殊能力保持者である所が大きく違う…ってか全く別の話です。
内容は「スキャナーズ」であり「X-MEN」なのですが、一番近いのは「エスパイ」かもしれません。
舞台は捜査一課が手に負えない特殊な事件を捜査するために警視庁公安部が設立した未詳事件特別対策係、通称“未詳(ミショウ)”。
メンバーはわずか3名。
京都大学理学部を卒業した物理マニアにしてIQ201の天才ながら、がさつで過食症で味音痴な女性捜査官・当麻紗綾(戸田恵梨香)。
元SITの小隊長、軍人マニアの肉体派・瀬文焚流(加瀬亮)。
そして、元捜査一課弐係(通称:ケイゾク)係長で“ゴリさん”の異名を持つ係長・野々村光太郎(竜雷太)。
当初はスペックホルダー単体の事件を追って行きますが、ここに公安零課(中野学校にルーツを持つ秘密警察の中の秘密警察)の暗躍とスペックホルダーの組織的犯罪が加わって後半一気にカオスに。
堤幸彦って人は、引きの強さ(だけ)が取り柄の人で、風呂敷を次々に広げていく事にかけては余人を以て替え難い才(スペック)があります。
ただ、残念な事に広げた風呂敷を畳むスペックはないんですよねえ。丁度、病を治療するスペックと病を処方するスペックが違う能力であったように。
当然の帰結として終盤はグダグダな挙句オチも無しという「さすが堤!」な展開に。
思えば、引きだけが強みの「20世紀少年」(原作)と堤の出会いは正に割れ鍋に綴じ蓋でした。判断を誤ったのはこれを映画でやってしまった事(もし、連ドラでやっていたら歴史に残る作品になっていたかもしれません)。
脇では零課のトップである津田助広を演じた椎名桔平がキャラ立ち一番でした。
『津田というのは言ってみれば零課のパブリック・ドメインだ。あの津田が死んでもこの津田がいる、まあ、そういう存在だ』
脚本は「ケイゾク」同様、西荻弓絵。兎にも角にも10話を一気に魅せるパワーは健在。
『映画化とか絶っ対無ぇから!』(当麻紗綾)