
勿論、巨神兵は「風の谷のナウシカ」のキャラであり、炎の7日間で世界を焼き尽くした張本人であるわけですが、これが「Q」の冒頭に据えられたとなると、やはり視線が変わります。
「巨神兵東京に現わる 劇場版」(2012年/樋口慎嗣監督)
突如東京の上空に現われた謎の巨人が帝都を焼き尽くす、ただそれだけの短編(10分)映画です。
特撮博物館公開版はCG無しを謳っていましたが、1分長くなった劇場版には“VFXスーパーバイザー:佐藤敦紀”(←特撮博物館版では視覚効果担当)なるクレジットがあるので、追撮部分にはCGを使用しているのでしょう。
なんせやっている事は破壊だけですから、カタルシスは抜群。
ナウシカの映像(写真3枚目)を重ねようとしても、装甲板(拘束具)を剥ぎ取った裸のエヴァに強制上書き。
槍を持った姿はセカンド・インパクトを引き起こした「破」のアダムス(写真一番下)を思わせます。
「Q」本編中では、(事後の惨事写真以外)映像としては全く描かれなかったニア・サード・インパクトを補完するものとしてカップリングされたのではないでしょうか。
(まあ、実際は大人の都合とかジブリの事情とか鈴木の我侭とかなのかもしれませんが)
モノローグが林原めぐみというのもあざとい感じですし。
ミニチュア・セットは特撮魂入りまくった匠の技。とは言え、あからさまな人形などで若干興を殺がれたのも事実。
変に足枷つけずに、巨神兵のディテールなどにもCG併用して派手派手に演出したら、物凄い600秒になったのではないかと思います。
「ヱヴァ」を観に来て最初に目に入った本編映像が「トトロとジブリのロゴマーク」ってのは恐ろしく違和感がありましたが…。