大健闘…だと思います。
設定もオチも与件。加えて細かい辻褄合わせも不可避。
相手が変わるわけではないので、大鉈振るう改革もできず、前日譚とは言え限りなくリメイクに近いものにならざるを得ないという鬼足枷の中で、よくここまでまとめきりました。
「遊星からの物体X ファーストコンタクト」
(2011年/マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr監督)
あの日、南極アメリカ基地に犬を追ってやってきたノルウェー基地の観測員。
ノルウェー基地は大破、炎上、全滅。一体何があったのか?
カート・ラッセルが見たノルウェー基地の惨状。そのいきさつを時計の針を戻して体験する前日譚です。
懸念された女性主役(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は、慌てず騒がず冷静に事を仕切って好印象。
もうひとつの懸念、クリーチャー・デザインもマニュファクチュアな模型をベースにしているようで、CG満開というよりは、特撮/特殊造型に歩み寄った仕上がり。
血液検査に変わるTHING識別法も(前作の緊張感・衝撃度からは程遠いとは言え)なかなか面白いアイデアでした。
ひとつ難癖をつけるとすれば、本作は1982年を舞台にしていますが、1982年の映画ではないということ。
役者の顔が80年代の雲気を湛えていないんですよね。それだけが不満でした。
前作超えなんてあるわけがないので、如何に上手に繋げるか、という低いハードルで良いのだと思います。
合格です。はい。