その昔。プロレス熱に煽られて男プロだけでは飽き足らず、女子プロの会場に初めて足を運んだ日。
会場の大半は女性客。宝塚もこんな感じなのかしらと思いつつ、俺(たち)はとうとうこんな所まで来てしまったのだなぁと妙な感慨。
ファンクラブと思しき女の子から受け取った2本の紙テープ。「青が飛鳥、白が長与です」
青いテープと白いテープがリングどころか視界の全てを覆ってしまった光景を見ながら、えも言われぬ恍惚感に浸っておりました。
嗚呼、ここにもプロレスがあった…。
なんて遠い昔の情景を思い出してしまいました。
「けいおん!![北米版BD-BOX]」
(2010年4月-9月放送/山田尚子監督)
いくらロック好き・アニメ好きとは言え、「けいおん」に手を出すことはないだろうと思っていたのですが、劇場版が予想外に面白かったので、ちょっと遡ってみることにしました。
北米版BD-BOX①,第二期全27話(番外編含む)の前半13話が収録されています。
ちびまる子ちゃん達が高校生になったら、こんな日常を送るのではなかろうか、という緩さと暖かさが独自の癒し空間を形成しています。
ガールズ・ポップなんて、と少々馬鹿にしてもいたのですが、各メンバーが自分のパートに大いなる思い入れを抱いている辺り、好感度大。
特にリズム・セクション(写真右上の二人)。
「低くて重い音色とか、目立たずに皆を支えている感じとか。皆に合わせてベースのライン作るの楽しいし。飛び出し過ぎないように、でも皆の音に埋もれないような、そんなベーシストでいたいって、いつも…」
秋山澪がベースに対する想いを吐呂した時、全国のベーシスト達はヘッドバンガーのように激しく頷いたのではないでしょうか。
ドラムス担当の田井中律が、ザ・フーのキース・ムーンに憧れていたり、彼女がお弁当タイムにあちこちの島を落ち着き無く行き来する様を評して、
「渡り鳥だね」「良く言えばコージー・パウエル」
なんてオヤジ目線の設定・台詞を当て込んだりしているのも心憎い(完全に掌で転がされているな…)。
高校時代なぞ彼岸の彼方、しかも、向こうは女子高。条件はかすりもしないのに、何故か共感する所が多いのも監督の巧さなのかもしれません。
文科系サークル(私は映研でした)の部室のまったり感、修学旅行(京都!)の開放感…。
いいじゃないか、「けいおん!!」(2期後半と劇場版は別途改めて…)。