いやあ、これに比べたら、1作目はデート・ムービーですわ。
もうね、脳内辞書をいくらめくっても“最低”という言葉以外思いつかない下品の数珠繋ぎ、汚物の金太郎飴。
ここまで出来る奴はちょっといません(←褒めていません)。
「ムカデ人間2」(2011年/トム・シックス監督)
映画「ムカデ人間」をこよなく愛する男が、「お、俺も繋げてみてぇ!」と一念発起、オリジナルを上回る大人数のムカデ人間創作に没頭する様を描いたメタ続編です。
“ホラー映画はリアルな犯罪を触発することはない!”というホラー・ファンの良心を基本設定であっさり否定。
しかも、主人公がチビ・デブ・ハゲで発育不全の喘息持ち。幼少期には父親から性的虐待を受けていたという、“どんだけ敵を作れば気が済むんだよ!”な特殊キャラ。
で、本作の一番凄い所は上記の特徴が人目見ただけで理解・納得できる役者を見つけてきた事。ある意味、彼のキャスティングが本作の全てと言っても過言ではありません。
舞台はロンドン。地下駐車場の警備員・マーティン(ローレンス・R・ハーヴィー)はひがな1日PCで「ムカデ人間」鑑賞。
お手製のスクラップ・ブックまで作って幸せ幸せ。
人気(ひとけ)が無くなれば、駐車場の利用客を銃で弾いてバールで打って、素材集めに余念無し。
薄汚れた貸し倉庫に集めた12のパーツ。さあ、繋げるぞ!
1作目のヨーゼフ・ハイターは狂っていたとは言え、一応医者、それも腕の立つ医者でしたが、マーティンは違います。
こいつはただの精神●弱者。道具は汚い工具のみ。医療器具無し、麻酔無し、縫合無し。ビデオを参考にあっち切りこっち切りしますが、繋がる訳ゃありません。
癇癪を起こしたマーティンはガンタッカー(でっかいホチキス)で唇とケツをバッツンバッツン。よし、完成だ!(んなアホな!)
前作ではオブラートに包んでいたあの描写もこの描写も今回はきっちりくっきり写り込み。
それでもモノクロ映像だからエグさは多少は抑え気味…と思ったらよりによってそこだけパートカラーかい! これじゃあただのスカトロ映画ではないか!
マーティンの紙ヤスリオ●ニーとか、チ●コに有刺鉄線巻きつけセ●クスとか、色んな意味で痛すぎ。
“怒られそうな事、全部やってみました!”な前のめり感には敬服いたしますが、やはりどこまでも最低な映画でありました。
彼女と別れたいと思っている人は一緒に鑑賞すると良いと思います。はい。
★(あくまで比較論として)真っ当に感じる1作目はこちら。
※あくまで個人的感想ですが、前作含めてこのシリーズを過剰に評価する方とはお近づきにはなりたくないです。