ジョシュ・ハートネットで○○デイズと言うとどうしても「恋する40days」(原題:40 DAYS AND 40 NIGHTS←40日間エッチ断ちをする馬鹿映画)を思い出してしまうので、30デイズだと「何だよ、ハードル下がってるじゃんか。で、今度は何を我慢するんだ?」って感じでしたが、ホラーだったんですね。
(我ながら無理のあるボケ方だと思います)
「30デイズ・ナイト」
(2007年/デヴィッド・スレイド監督)
アラスカ州最北端の田舎町。ここは冬になると30日に渡って太陽が昇らない“極夜”が訪れます。
吹雪と闇に閉ざされ外界から孤立した陸の孤島は、ヴァンパイアにとって最高の狩場。
設定は合格。闇に蠢く何者かにひとりまた一人と狩られていく序盤も雰囲気があってなかなか。
生き残った住民がダイナーに篭城した時は「おおっと要塞警察かあ」と思いましたが、楽しめたのはそこまで。
謎の生き物がヴァンパイアと分り、全員顔出しで登場した瞬間、興醒め落胆腰砕け。
得体の知れない何か、だから不気味な雰囲気が出るのであって、顔出ししちゃったら田中君、鈴木さんと同じ人間的個性を付与する事になり、どっちらけです。
しかも(ここが一番重要なのですが)、こいつらの造型が駄目駄目。素直に言えば嫌いです。
離れて(もしくはくっついて)吊り上った黒目部分が大きい眼。やたらぶっといアバター系の鼻。知性のかけらも感じられません。
これが顔出し無しならビーストでいいと思いますが、顔出ししてこれはないだろ。
あと30日のサバイバルは長すぎ。1分1秒どうやって生き延びるかという緊迫した状態で“17日目”とか言われると「おいおい、何やってたんだよ今迄?」
架空の化物が闊歩しているというのにはっちゃけた感まるでなし。どこまでも真面目。
狩る・狩られるの頭脳戦も無く、双方共芸が無いにも程があります。
大麻栽培用の紫外線ランプとかいい小道具だったのに使いきれていません。
「ダスク・オブ・ザ・デッド」の時も思いましたが、遊び心の無いホラーは駄目ですね。