うむ、何度観てもくだらない。そして何度観ても最低だ。
その確認だけで観る価値がある。
「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」
(1978年/ジョン・デ・ベロ監督)
トマトが人を襲ってくるという一発勝負のアイデアを“人間側のリアクションだけ”で描ききった所が素晴らしい。
トマトはただそこに在る、転がっている、浮かんでいる、台車をつけたハリボテが迫ってくる、程度。あと粗いコマ撮りと逆回転といった“特撮”が少々。
大抵の描写は人間側の反応のみ。例えば、ソファに据わった老夫婦を正面から映し、
「ああ、大きいトマトだなあ」(棒)
「あらあら、ティミーを」(棒)
「喰ってるな」(棒)
「可哀想に」(棒)
という会話をさせておしまい。あとは転がってくるトマトの横でぎゃーと言って倒れる、海面に浮かんでいるトマトの横でぎゃーと言って溺れるなど。
全カットを出川と江頭でリテイクしたくなるリアクション大全です。
動き的にだらけたシーンは皆無と言ってよく、スキあらばボケる(しかも誰も突っ込まない上にダダ滑り)という全方位投げっぱなし体制が心地よい。
一番の見所は最初の方でやたらトリッキーな動きをみせるヘリコプター。
超低空で明らかにバランスを失ったアクロバット飛行をしたかと思ったら、そのまま地面に激突。大破(写真1枚目~3枚目)。
聞けばこれ、本物の“事故”なんだとか。
手前にしっかりパトカーと演技している警官役の役者さんがいるので、一歩間違えると“一足速いヴィック・モロー@トワイライト・ゾーン”になっていたかもしれません。
このヘリのパイロットは“宣伝の都合上”事故死した事になっているそうです。合掌。