デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

おいでませ場末。 巨大クモ軍団 vs GO!GO!ダンサーズ

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ゆるい。おとといどころか1週間前に栓を抜いたコーラのような怠惰で緩慢な場末の日常。

でも何故かそれが心地良い魅力になっている不思議な映画。

「巨大クモ軍団vsGO!GO!ダンサーズ」(2004年/ブレット・パイパー監督)


冒頭、車を飛ばす葉っぱの仲介業者二人。若い方が必ず語尾に「MAN!(メーンに聞こえる)」をつけるやりとりが実に馬鹿っぽくて素敵。

特殊ルートのブツのようですが、木箱の中に混じっていた吸血巨大クモの卵が孵化して車内大パニック。

景気良く横転したところを仲介業者がラッキーとばかりに金払わず荷物回収。無傷な木箱を購入者へ。

購入者は場末のクラブ「ゴーゴーザウルス」(ステージでお姉ちゃんが乳出して踊っている)のオーナー。経営難による店舗売却の危機を切り抜けるため葉っぱの卸売りを画策していたのでした。

ここまで、メーカー→一次卸→仲介業者→二次卸→小売業者という流通業のロジスティクスをきちんと体現。物流構造の勉強になります(信じるなよ)。

で、この店の寂れっぷりが実にいい感じ。

踊り子はわずか3人。クリスタル(ミスティ・マンダ←主役。写真3段目右)は今日6舞台目でやる気無しヘロヘロ。

トリックス(エリカ・スミス)はメガネっ娘のくせに「客が見えると緊張する」と裸眼で踊ってコケて倒れてボロボロ。

アンバー(ケイトリン・ロス)は葉っぱの吸い過ぎで常時ラリラリ。

客も駄目駄目感満開で“連敗の 勝ち知らずらが ひとつ屋根”

ここに運び込まれた葉っぱの木箱にも当然クモの卵が…。

で、緊張感とか緊迫感とは無縁のゆる~い攻防戦が展開するわけですが、動物パニックもののルーチンとは全く別の次元でこちらのツボを突いて来るので何故か退屈しません。

主役のミスティ・マンダは外人にしては貧乳(本人も「豊胸しようかな」と自虐ネタ)。の割には下半身に妙に肉がついていて淫靡と言えば淫靡。

因みに本作1つ前のミスティ嬢の主演作は「スパ淫ダーマン」(妄想系女学生がクモに噛まれて淫乱ヒロインに変身する…嗚呼、書いていて眩暈が…)。クモ繋がりH系連続主演。

ゴアシーンは全く無いですが。安いCGクモが潰れる所だけミニチュアだったり、何故か怪奇クモ男になってしまった麻薬捜査官の動きがダイナラマ(ストップモーション・アニメ)だったりと、妙なこだわりも随所に。

被害も“やたら淫乱になった”から“クモ男になった”まで幅広く、噛まれる・吸われる・刺される・這われるによって症状が異なるようです(すっげーいい加減)。

“拾った!”と思うか“ババ引いた!”と思うかは微妙な線引きですが、私は“拾った”に1票。

★ミスティ・マンダ嬢の最近の主演作👇