『一般市民を巻き込んだ。直ちに処刑する』
『了解』
刑事兼判事兼陪審員兼裁判長兼(死刑)執行人。
この“手続きって何?”な体制側殺人機械を自然に受け入れられるのは、遠山の金さんとか桃太郎侍といった時代劇キャラと一脈通じる所があるからかもしれません(すみません、今思いつきました…)。
時は近未来。核戦争で汚染まみれのアメリカ。
新旧高層ビルに8億人が居住するスーパー・スラム“メガシティ・ワン”。
治安って何?な犯罪激発地帯を取り締まれるのは、その場で制圧鎮圧断罪の権利を有するジャッジのみ。
有能なジャッジであるドレッドは、ちょいとワケありなルーキー、カサンドラをジャッジ登用最終選考のため1日随伴させる事に。
折りしも200階建て高層ビル“ピーチツリー”の中庭に3体の墜落死体が。
ドレッドは犯人と思しき男を確保しますが、そこは極悪女ギャング・ママが仕切る犯罪者巣窟ビル。外部侵攻不能の巨大要塞と化したピーチツリービルで全犯罪者相手に弾丸祭り開催。
スタローンが「だって俺スターだし」という分かりやすいにも程がある理由であっさり脱ぎ捨てたヘルメットを最後まで外さないのが律儀。
代わりにルーキー、カサンドラちゃん(オリビア・サールビー)がほぼ全編素顔で大活躍(一応、ヘルメットを被らない理由はあります)。
そして極悪非道の女スカーフェイス、ママ(レナ・ヘディ)。
サラ・コナーさんがこんなヒール役を演じるとは…。
小品のイメージですが、バイオレンスは直球。CG、ダミー織り交ぜて人体破壊をしつこく魅せてくれます。
絵的にナイスだったのが、ママがピーチツリービルで製造販売している麻薬“スローモー”。
水パイプの要領で吸引するのですが、これを吸うと時間が間延びして知覚されます。
これで自分だけ早く動ければ009の加速装置と同様ですが、自分も含めて全てがスーパースローになるので戦闘には全く役に立ちません(笑)。
この効能を観客にも体感してもらうため、スローモー吸引時は超ハイスピード撮影された映像になっており、“地獄のディスカバリーチャンネル”な雰囲気になっています。
ビル内のドンパチに終始するので、普通なら中盤ダレダレになる所ですが、ノンストップで完走しちゃいます。脚本のアレックス・ガーランド(「わたしを離さないで」)の功績でしょう。
スタローン版と色々比較したい所ですが、記憶からすっ飛んでいる上に「デモリッションマン」とごっちゃになっているので引き合いに出せません。
スタローン版、ちゃんと観直そう…。
★観直しました!