デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

何だよ“いずみの あきら”って? 押井実写版パトレイバー

イメージ 1情報が出る度に不安感(いや最早絶望感と言った方がいいかもしれない)だけが増大していく押井実写版パトレイバーの製作発表記者会見が行われました(9.25)。

同時に主要キャストとプロジェクトの概要も発表。

新作の舞台となるのは、2013年の東京で、登場人物は、「三代目」という設定。

長期的不況で手間とお金のかかる「レイバー」がお払い箱となっており、特車二課の第1小隊は解散、第2小隊はレイバー運用経験の継続としてかろうじて存在している状態。

って立ち上がりから暗いなぁ、おい。

三代目なので、当然小隊メンバーは総入れ替え。

後藤田隊長に塩原祐馬に泉野明…あれ、野明は残留? ひょっとして南雲さんの跡継いて昇進した? と思ったら何と“いずみ のあ”ではなく、“いずみの あきら”なんだって。

おいおい、TV版で押井が脚本書いた「上陸赤いレイバー」のセルフ・パロディか。

後藤田とか塩原祐馬(オリジナルは篠原遊馬)とかも紛らわしいだろ。変えるならサクっと変えろよ。

唯一の居残りキャラは整備班班長に昇格したシバシゲオのみ。但し演じるのは本人の声をアテていた千葉繁その人。

顔、変わりましたね、千葉さん。何で山本晋也監督がいるのかと思っちゃいました(私の脳内では永遠に「紅い眼鏡」で止まっているので、どう脳内補完しても千葉繁になりません)。

実写化は、約48分のシリーズ全12話と長編作品1本を組み合わせたプロジェクトとなり、まずシリーズを劇場上映用に全7章に構成し、2014年4月から全国で順次イベント上映、2015年には長編作品を全国でロードショーする予定…だそうです。

1時間もののTVシリーズを1クールやる感じに近いですね。

この情報から確信的に分かる事は、

“レイバーの活躍は無い。勿論、レイバー同士のバトルも無い”

パトレイバーの世界観だけを借りてきて、押井が好き放題やる、という図式なのでしょう。

思い出すのは押井が演出した舞台版鉄人28号(写真一番下)。

実物大の鉄人を背景にセイタカアワダチソウの生い茂る埋立地で野犬狩りの歴史を延々聞かされた時はどうしようかと…。

あれの再来になるのでしょうか?

ただ私、TV版で押井が脚本を書いた「こちら特車二課」「あんたの勝ち」って結構好きなんです。

キャラをうまく転がしてくれれば、エピによってはそこそこ面白い話に仕上がるのではないかと淡い期待をしております(とは言え、仮に面白い出来になったとしても「でも、これってパトレイバーである必要なくね?」という疑問がついて回ると思いますが…)。

主要キャストは、1号班操縦担当の泉野明役に真野恵理菜(写真中央)、1号班指揮担当の塩原祐馬役に福士誠治、 2号班指揮担当でロシアから赴任したカーシャ役に太田莉菜、第二小隊隊長の後藤田継次役に筧利夫という布陣。

はてさて、どうなることやら。

※参考:「実は物凄い変態芝居なのでは? 舞台版 鉄人28号」→2009年9月7日