デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

世界は変態とツンデレで回っている。 えむえむっ!

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『ありがとうございます、先輩。おかげで俺はスーパード変態にエボリューションできました』

『皆、俺に変態を分けてくれ!』

違う! そういうアニメじゃない(いや、そういうシーンもあるんだけどちょっと違う)!

少し時計の針を戻しましょう。

えむえむっ![北米版DVD‐BOX]」
(2010年10月-12月放送/長澤剛監督)

砂戸太郎。桜守高校1年。目下の悩みは制御不能なドM体質

美少女から殴られたり罵られたりすると、何もかも忘れて悶絶する犬に変身。

こんな事ではまともな恋愛ができない。なんとかしなければ!

親友・辰吉の勧めで校内のお悩み相談室である“第二ボランティア部”を訪れた太郎。そこには1年先輩のドS美少女・石動美緒と太郎をドMに目覚めさせた張本人・結野嵐子が。

美緒は太郎のドMを治すには、命ギリギリの苦痛を与える事で生存本能を呼び覚ますしかない、と結論。殴られ悶絶、蹴られ悦楽。罵りはショパンの調べ。

変態はこの二人だけではありません。

太郎の親友・辰吉には女装癖が、嵐子は極度の男性恐怖症(男に触れられると反射的に顔面パンチ)、顧問(?)の保険医・鬼瓦みちるは美少女コスプレ写真収集家(盗撮含む)、発明部の日村は真性ロリコン(女子高生に向かって「寄るなババア!」)。

更に太郎の姉・静香は重度のブラコン常に太郎の体を狙っています。母・智子は極度の息子ンプレックス。娘・静香すら恋敵と看做して鍔迫り合い。

監督が長澤剛という事もあって、太郎のためいき顔が八坂真尋そっくり。加えて発情姉・静香の中の人が阿澄佳奈だったりするので、ニャル子前史な雰囲気も。

果たして太郎のドMが完治する日はやってくるのか。

OPクレジットでスタッフ全員、名前の前に「」か「」のマークが。

原作者と監督は「ドM」、シリーズ構成の小鹿りえ総作画監督の堀たえ子が「S」。

きっと現場は歓喜が溢れ渦巻いていたことでしょう。

因みに冒頭に掲げた台詞は、発明部部長・柊ノアの“人類変態化計画”を阻止する為、DX変態ベルトでスーパーパワーを発揮した太郎が、更に美緒にボコられる事でスーパード変態(どこから見てもスーパーサイヤ人)にエボリューションした時のもの。

2010年の作品ですが、キャラデザや音楽がそこはかとなく80’S。

この手触り、嫌いじゃありません。