デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

禁じられた言葉。 COPPELION♯1人形

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10月スタートの新番組アニメを数えてみたら、余裕で40本超え。

どう頑張ってもフォローしきれません。

直感でセレクトした数本から生き残ったものをレビューする事にします。

“廃墟を歩く女子高生”というビジュアルから私的期待一番だったのが、

COPPELION/第1話・人形(コッペリオン)」(2013年10月4日BS11放送/金澤洪充演出)

だったのですが、第1話の率直な感想は“地味”。

もぅちっと強く掴んで欲しかったなぁ…。

舞台は“事故”によって“汚染”された“旧首都”。

防護服無しでは一歩たりとも入って行けない廃墟をピクニックのように楽しげに歩くミニスカ女子高生3人組。

廃墟好きには十分過ぎるビジュアルです。

彼女たちのミッションは生存者を発見する事。

「発見したらどうすれば?」

「何もするな。お前たちは見つけるだけでいい」

最初に本作の製作がアナウンスされたのは2010年9月。つまり、2011年4月期からの放送を予定していたようなのですが、ご存知の通り2011年3月にアレが起こってしまいました。

寝かせること2年半。

お台場の原子力発電所が事故でメルトダウン放射能汚染により廃墟と化した東京という設定は“事故により汚染された旧首都”という骨格標本にすらならない曖昧なものに。

原発メルトダウン放射能も禁句となると、旧首都の汚染原因を説明する事ができなくなる訳ですが、どうする気なんでしょ。

わざと社名をボカした“××電力”の看板が出てきますが、隠されると逆に東京電力と脳内変換してしまいますね。

どこかで説明するのか、それともこのまま“与件”として押し切ってしまうのか。

いずれにしても状況説明だけで終わってしまった初回は何とも歯ごたえがありませんでした。

OPをカットしたり敢えて静かな立ち上がりを演出したのかもしれませんが、デストピア感の醸成には至らず。何かひとつ画的な(もしくはストーリー的な)インパクトがあれば大分印象が変わったと思うのですが…。

ただ、精緻な廃墟描写という後景に被さるやたらと輪郭線の太い女子高生という違和感ありまくりな前景のミスマッチは(目に残るという意味で)実に印象深かったです。

主人公・成瀬荊(なるせいばら)の得物がルガー(をベースにした改造銃かもしれませんが、見た目はルガーP08)というのも好感度大。

とりあえず現時点では海のものとも山のものとも。もう少し付き合ってみることにいたしましょう。