なあイーライ・ロス、お前のオリジナルに対するリスペクトはこの程度なのか。
貧しい、貧しすぎるぞ。
「2001人の狂宴」(2005年/ティム・サリバン監督)
2010年の10月1日に“多分大体1000本レビュー達成”記念として取り上げた「2000人の狂人」のリメイクです。
製作にイーライ・ロスが名を連ねています。
南部を旅行中に道に迷い辿りついた町、プレザント・バレー。
記念祭に沸き返る町の住人は旅行者を歓待しますが、実は…というお話。
南北戦争の記録フィルムをコラージュしたオープニングはスタイリッシュですが、昨今のテレビ用ホラー・オムニバスの小洒落たOPを思わせてかえってチープ。
主人公格の旅行者がお馬鹿な若者なので、折角の舞台設定がティーンエイジ・スラッシャーに堕しています。
プレザント・バレーもオリジナルでは“町”っぽかったですが、こちらは森の中に小屋が点在している“集落”って感じなので、町をあげてのお祭りという喧騒感が出ていません(どう数えても人口2001人もいないし)。
ゴア描写を讃える向きもありますが、うーん。「ソウ」「ホステル」以降の即物的トーチャー描写をここに持ってこられてもなあ…。
ロバート・イングランドが町長役をノリノリで演じておりますが、オリジナル町長の存在感に比べたら…(正直、この人に“エルム街のフレディ”という履歴以上の価値は無いと思います)。
ノリノリで人間スクィーズを作ってたリン・シェイはいい感じでしたが。
オリジナルにあった祭りの高揚感、旅行者をアトラクションとして惨殺した後に一瞬漂う寂幕感、カラッとすっとぼけた味わいなどが綺麗さっぱり。
何と言うか“豊かさ”がない。
ホラーってもっと豊かなジャンルだったと思うのですが(オリジナル版の「ウィッカーマン」とかさ)。
ラストのオチも安い。
とりあえずイーライはルイス爺さんに五体投地して謝罪するように。
★オリジナルを観返したい方はこちら。