『重いだろう。それが人の命を絶つ武器の重さだ』
王道ハーレム・アニメの中にポツリと挿入されるこんな台詞。確かに重いかも。
「IS(インフィニット・ストラトス)[北米版BD‐BOX]」(2011年1月‐3月/菊池康仁監督)
現在、2期「IS2」が絶賛(?)放送中ですが、その第1期。
世界の勢力図を一変させた飛行パワードスーツ、IS。
開発したのは天才科学者・篠ノ之束(しのののたばね)。心臓部のコアは完全非公開のブラック・ボックスですが、束はある時期を境にコアの製造を中止したため、ISの絶対数は467止まり。
この限られたISの保有が国家間抑止力となった世界。
理由は不明ですが、ISを動かせるのは女性のみ。
織斑一夏(おりむらいちか)は男でありながら高校受験の際ある偶然からISを起動させてしまい、世界でただひとり“ISを動かせる男”として注目の的に。
IS操縦技術に特化したIS学園に強制入学させられた一夏は“クラスメイトは全員女”という環境で、女生徒からの猛アタックを…って書いてるのがアホらしくなるハーレムワールド。
ヒロインは、一夏のファースト幼馴染にして束の妹・篠ノ之箒、セカンド幼馴染にして中国代表候補生・凰鈴音(ファン・リンイン)、イギリス代表候補生・セシリア・オルコット、フランス代表候補生・シャルロット・デュノア、ドイツ代表候補生・ラウラ・ボーデヴィッヒ、そして一夏の姉にしてIS学園鬼教官・織斑千冬。
ISを取り巻く世界情勢とか、ISの機能に関する詳細設定などハードSFを構成するバックグラウンドは揃っているのですが、お話の8割が一夏とヒロインズのキャッキャウフフなので、そっち方面が苦手な人には「チッ!」な内容かもしれません。
超ツンデレな箒がメインヒロインではありますが、私的イチオシはラウラ・ボーデヴッヒ。
ドイツ軍のIS配備特殊部隊「シュヴァルツェ・ハーゼ」隊長。あらゆる武器・格技をこなす戦闘少女として育成されたものの、ISに適合できず“出来損ない”の烙印を押されていましたが、ISの教官として赴任した千冬の特訓により部隊最強の座に再度上り詰めた、という設定です。
当初、一夏と(一方的に)対立していましたが、自身の専用IS“シュヴァルツェア・レーゲン(黒い雨)”が暴走した際に一夏に助けられたのを契機に宗旨変え。
一夏のファースト・キスを奪い、「お前を嫁にする」宣言。しかし、軍事訓練しか受けていないので行動がちぐはぐ。ドイツ本国の副官にアドバイスを求めていますが、この副官がオタク文化に毒された日本マニアなのでことごとく残念な結果に…。
ISの暴走は“力を得たい”というラウラの負の願望を起動キーに発動したものでした。
「寄こせ、力を。比類なき最強を…」
千冬の武器であった雪片をトレースした太刀筋。それは一夏が初めて千冬に習った“人の命を絶つ武器”真剣の技。
「あの技は千冬姉(ねえ)だけのものなんだ…」
助け出されベッドに横たわるラウラと千冬の会話がいい。
『ラウラ・ボーデヴィッヒ、お前は誰だ?』
『私は…』
『誰でもないなら丁度良い。お前はこれからラウラ・ボーデヴィッヒだ。それと…お前は私になれないぞ』
臨海学校で初の勝負水着を披露したラウラ。「笑いたければ笑うがいい」という台詞は
現在放送中の2期が何となく迷走しているように見えるのは気のせいでしょうか。
北米版BD‐BOXはBD2枚(全12話+未放送1話)+サントラCDの3枚組みで約4,000円。国内版BD‐BOXは33,600円。やはり何かが間違っている…。
※写真4枚目は“嫁”である一夏と寝技に興じるラウラ(裸腕ひしぎ逆十字はちょっと可愛いやらしい…)
※写真1番下は、ラウラとデザイン丸被りな“撲殺天使ドクロちゃん”の妹、ザクロちゃん。