「もうすぐ結婚式なのよ! 摂食障害や耳がとれたくらい何?!!」
この“目的達成のためならあらゆる行為(現象)が正当化されねばならない”という女の理屈がある意味頼もしい。
「アンデッド・ウェディング 半ゾンビ人間とそのフィアンセ」(2012年/ケイシー・ウォーカー監督)
原題は“A LITTLE BIT ZOMBIE”。“ちょっとだけゾンビ”って感じでしょうか。
結婚を間近に控えたスティーヴとティナは、スティーヴの妹夫婦と森のコテージ(いやここはキャビンと言うべきか)へ。
ここでゾンビの血を吸った蚊に刺された(1匹に滅多刺しにされた)スティーヴは脳みそが食べたくて堪らない“ちょっとだけゾンビ”に。
例え相手がゾンビだろうと結婚式は必ずやるの! もう招待状出しちゃったし! というティナの俺様理論が素敵です。
「脳みそ(BRAIN)」という単語を聞くたびにパブロフの犬効果でヨダレ全開のスティーヴを見かねた一行は肉屋に脳みその買い付けに(ここの親父がナイスキャラ)。
しかし、動物の脳では渇きを癒せないので、ロクデナシを誘って殺して大宴会に作戦変更。
ここに、ゾンビに反応する謎のクリスタル探知機を持ったゾンビハンターが加わって…果たしてスティーヴとティナは無事結婚式を挙げる事ができるのか?
…というライト・コメディです。
バタリアンやら死霊のはらわたやら踏むべき韻は踏んでいますし、スティーヴの一人芝居はブルース・キャンベル・リスペクトとしても及第点です。
意外な展開が何ひとつない、という不満はありますが、軽いゾンビものを見たい人には丁度良い出来栄えです。
妹夫婦の旦那役は「バイオハザード」シリーズでウェスカーを演じた(「ランド・オブ・ザ・デッド」「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」にも出ていた)ショーン・ロバーツ。
中途半端にマニアックな人選です(笑)。