子供のいたずらが原因で命を落としたピエロの復讐劇。
「バーニング」あたりを持ち出すまでもなく、ホラーの定石にして定番の流れ。
しかし、機智に富んだ(&景気良くスプラッターな)殺し技の数々のせいで“グロ可笑しい”快作に。
「道化死てるぜ!」
(2012年/コナー・マクマーン監督)
いやあ、久しぶりに最低な(←誉めてます)邦題を見ました(原題はSTITCHESでピエロの名前)。松竹もやれば出来るじゃないか。
リチャードは個人営業の出張ピエロ(ピエロ名:スティッチーズ)。
家はトレーラー、技無し、腕無し、やる気無しのダメ男。
今日の仕事はトミーとか言う10歳のガキの誕生パーティ。遅刻しておきながら前金請求(うーん、最低)。
集まっていたガキ軍団はマナー無し、我慢無し、敬意無し。
しょぼい芸を野次る、突っ込む、邪魔をする。
挙句、ガキのひとりが仕掛けたいたずらが原因で、ケーキ包丁がピエロの左目貫通。これを自力で引き抜いたら、鮮血スプリンクラー! トミー顔シャ初体験。
「このクソガキが…」と包丁片手に迫るも、自分の血糊にすべって転んで宙を舞った包丁が再び顔面に刺さってあの世行き(合掌)。
時は流れて6年後。トミーは立派なパーティ・トラウマ持ちの高校生に。
16歳の誕生日に母親(シングルマザーっぽい)は仕事で出張。うじうじしていても仕方ない。久しぶりにパーティでもやるか。
ってな噂が広まると、友達は勿論、見ず知らずの奴らまで集まってくるのが外国の(この場合、アイルランドの)良い(?)ところ。
盛大なパーティに招かれざるゲストが1名。地獄から出張サービスに来たスティッチーズが「よ、皆、ハッピーか?!」
6年前の関係者にねんごろなお礼参り。その方法がピエロならでは。更に6年前に各々がピエロに対して行った言動の韻を踏んでいる念の入れよう。
バルーン・アートを馬鹿にしたガキのはらわた引きずり出して“犬”を作り、頭部に空気入れ差し込んでしゅっぽしゅっぽ(写真2枚目)。
「悪魔のサンタクロース2」リスペクトなアンブレラ・アートも華麗に決まっています。
コメディ要素も残しつつ、ゴア描写は呵責無し。
86分の割にはドラマ部分がちとタルいという弱点はありますが、スプラッター好きにはご満足頂けるのではないかと思います。
2012年度シッチェス映画祭グランプリ(いや、それほどの作品ではないだろう…)。
※参考:「罰だ!悪魔のサンタクロース2/鮮血のメリークリスマス」→2012年12月11日