デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

製作費10万円でゴケミドロ作ったら…。パラサイトゲーム

イメージ 1湖畔のロッジで男女7人週末休暇。
 
先発で乗り込んだ男(←多分無職)が水辺でギター爪弾いていると一人の女がやって来て「あなたに見せたいものがあるの」
 
タイトルロールを兼ねたOPは延々固定カメラでワンカット。斬新(前衛)なのか、金とセンスの両方が無いのか。前者ならアタリ、後者なら地雷。果たして。
 
「パラサイトゲーム」(2010年/ジョン・クラプステン&ナイラン・リッチマン監督)
 
原題は“THE CORRUPTED(腐敗)”。
 
ロッジで週末を過ごそうとした若者たちがエライ目に遭う(何かに寄生される)、というこれ以上説明する気にならないカナディアン・ホラー。
 
驚いたのは、わずか75分という短尺でありながら、40分を回っても何も起こらない事
 
何となくそれっぽい(先発兄ちゃんの様子がおかしい、森の中に変な奴がいる)描写はありますが、お話が転がり出すようなイベントは起きる気配もありません。
 
おいおい、どうするんだ、このままじゃ「ああ、楽しかった。じゃまた来週」とか言って別れて終わっちゃうぞ、と本気で心配し出した頃、ようやく最初のイベントが…。
 
虫のようなものが、脳を支配しコントロールしていく侵略もの(もしくは単なる寄生虫もの)のようなのですが、正体も目的も最後まで何ひとつ分からず。
 
口からタコの足を出しているキービジュアル(写真2枚目)が「DAGON」(写真一番下)そっくりなので、ひょっとしたら“クトゥルー”を意識しているのかもしれません。
 
実際にはそんなシーンはどこにもなくて、口から昆布とか味噌汁とかを出しているだけなのですが…。
 
ラストカットが印象的(有り体ではありますが個人的には結構好き)なので、百叩きくらいで許してやってもいいかな。
 
予算10万円+手弁当ゴケミドロ作ったらこんな感じになるのかもしれません。
 
※参考:「侵略SFだったのか! 吸血鬼ゴケミドロ」→2008724
    「イア!イア!クトゥルフ、フタグン!   DAGON」→2010910