賛否喧しい押井実写版パトレイバー。
漫画・アニメの実写化にはなかなか良い思い出がありませんが、ありがたい付随効果もあります。
それは原作コミックの復刊。
実写パトレイバーの公開に合わせて、レンガのような厚さのコミック(コンビニ限定なのかな?)が再登場。
ご存じ、劇場版3作目「WXⅢ」の元ネタです。
「WXⅢ」は、13号の生みの親である岬冴子博士と秦刑事の淡いロマンスを軸にした大人のドラマになっていましたが、原作はもちっと男の子寄り。
その行く手を遮るかのように東京湾に出没する謎の巨大生物。何とかその存在を抹消しようと画策する東都生物工学研究所(と裏で糸を引く米軍)。
そして、怪獣退治というウルトラ貧乏クジを引き当ててしまった特車二課。
「光栄だろ? おれたちにとって最後のチャンスだ。しくじれば自衛隊が前面に出てくるってさ。湾岸を焦土と化しても怪物の都市部侵入を阻止する覚悟らしい。おれたちがうまくやらなきゃ、東京湾は火の海になるぞ!」
という展開も(劇場版で)観てみたかったですが、いきなりグリフォン(の残骸)回収とか言ったら一見さんお断りになってしまいます。
13号に的を絞り、死んだ娘の癌細胞移植やらで話を膨らませて、一介の刑事コンビが謎に迫るというオリジナル設定は映画化に際しての良い改変であったと思います。
特車二課をゲスト同然の扱いにして“顔見せ興行”にしてしまったのも、あの流れの中ではアリだったかと。
まだこの弁当箱サイズの復刻は続くようなので、次回が楽しみです。
時に「ワイルド7」実写化の際に原作が復刻されなかったのは何故だったんでしょ。何か大人の事情があったのでしょうか(突っ込まないのが武士の情けか…)。
※参考:「地味だ、地味すぎる! WXⅢ機動警察パトレイバー」
→2008年6月14日
→2008年6月14日
「超絶密度。 WXⅢ機動警察パトレイバー[Blu-ray]」
→2012年9月10日
→2012年9月10日