デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

実写化の恩恵? パトレイバー/廃棄物13号

イメージ 1

賛否喧しい押井実写版パトレイバー
 
漫画・アニメの実写化にはなかなか良い思い出がありませんが、ありがたい付随効果もあります。
 
それは原作コミックの復刊。
                  
実写パトレイバーの公開に合わせて、レンガのような厚さのコミック(コンビニ限定なのかな?)が再登場。
 
イングラムVSグリフォン」に続く最新刊は「廃棄物13号」。
 
ご存じ、劇場版3作目「WXⅢ」の元ネタです。
 
いやあ、分厚い。「イングラムVSグリフォン」よりさらに厚い654ページ。最早鈍器。片手じゃ持てません。
 
「WXⅢ」は、13号の生みの親である岬冴子博士と秦刑事の淡いロマンスを軸にした大人のドラマになっていましたが、原作はもちっと男の子寄り。
 
晴海で大暴れした挙句、離脱に失敗して東京湾に沈んだ“黒いレイバー”グリフォン。その経験値を詰め込んだOS“ASURA”回収に躍起になるシャフト企画7課。
 
その行く手を遮るかのように東京湾に出没する謎の巨大生物。何とかその存在を抹消しようと画策する東都生物工学研究所(と裏で糸を引く米軍)。
 
そして、怪獣退治というウルトラ貧乏クジを引き当ててしまった特車二課。
 
グリフォンvs廃棄物13号vsイングラム三者が文字通り“水面下”の攻防を繰り広げます。
 
「光栄だろ? おれたちにとって最後のチャンスだ。しくじれば自衛隊が前面に出てくるってさ。湾岸を焦土と化しても怪物の都市部侵入を阻止する覚悟らしい。おれたちがうまくやらなきゃ、東京湾は火の海になるぞ!」
 
という展開も(劇場版で)観てみたかったですが、いきなりグリフォン(の残骸)回収とか言ったら一見さんお断りになってしまいます。
 
13号に的を絞り、死んだ娘の癌細胞移植やらで話を膨らませて、一介の刑事コンビが謎に迫るというオリジナル設定は映画化に際しての良い改変であったと思います。
 
特車二課をゲスト同然の扱いにして“顔見せ興行”にしてしまったのも、あの流れの中ではアリだったかと。
 
まだこの弁当箱サイズの復刻は続くようなので、次回が楽しみです。
 
時に「ワイルド7」実写化の際に原作が復刻されなかったのは何故だったんでしょ。何か大人の事情があったのでしょうか(突っ込まないのが武士の情けか…)。
 
※参考:「地味だ、地味すぎる! WXⅢ機動警察パトレイバー
     →2008614
    「超絶密度。 WXⅢ機動警察パトレイバーBlu-ray]」
     →2012910