
“顔色が悪いな、まるで死人みたいだ。ま、死んでるんだけどね。名前は…思い出せない。最初の文字はRだった…と思う。
今は空港に住んでいる。友達もいる。会話はできないが、時々目を合わせたり、唸りあったり。
今は空港に住んでいる。友達もいる。会話はできないが、時々目を合わせたり、唸りあったり。
自分の事は覚えていないが、人間の脳を喰うとそいつの記憶を共有する事が出来る。人間らしくなれる瞬間だ”
謎のウィルスの蔓延によって人類の大多数がゾンビとなった世界。
生き残った人間は壁を築き、細々と生活。時折、ボランティアの若者が“物資(特に医薬品)”を求めて壁の外に。
ゾンビから見れば新鮮な食料のデリバリー。
ある男の脳を喰った…そいつの記憶の中にいたひとりの女性…恋人か。名前はジュリー。そして今目の前にいるのは…。
『…ジュリー』
この娘を食べてはいけない。守る。ジュリーの手を握った時、心の中で何かが灯った。
(2013年/ジョナサン・レヴィン監督)
ラブコメっぽい紹介のされ方をされているようですが、これは王道の恋愛エンタ。ゾンビ版ロミオとジュリエットです。
いままでのどのゾンビとも違う新しいゾンビ。
ジュリーとゾンビ(R:仮名)を見たゾンビ仲間の心にも変化が。
忘れていた感覚。感情、憧憬、記憶。熱く流れる何か。
『感じたか、お前も』
『ああ、感じたとも』
まだまだゾンビ映画のネタは尽きません。金かけりゃいいってもんじゃありませんし(聞いてるか、ブラピ)、低予算“だけ”が売りというのも間違った感覚(聞いてるか、コリン)。
本作は音楽の使い方も絶妙。「一発カマしたれ!」という時はやっぱりスコーピオンズのあの曲なんですねえ。