デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ゾンビ版ロミオとジュリエット。 ウォーム・ボディーズ

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“顔色が悪いな、まるで死人みたいだ。ま、死んでるんだけどね。名前は…思い出せない。最初の文字はRだった…と思う。

今は空港に住んでいる。友達もいる。会話はできないが、時々目を合わせたり、唸りあったり。
 
自分の事は覚えていないが、人間の脳を喰うとそいつの記憶を共有する事が出来る。人間らしくなれる瞬間だ
 
謎のウィルスの蔓延によって人類の大多数がゾンビとなった世界。
 
生き残った人間は壁を築き、細々と生活。時折、ボランティアの若者が“物資(特に医薬品)”を求めて壁の外に。
 
ゾンビから見れば新鮮な食料のデリバリー。
 
ある男の脳を喰った…そいつの記憶の中にいたひとりの女性…恋人か。名前はジュリー。そして今目の前にいるのは…。
 
『…ジュリー』
 
この娘を食べてはいけない。守るジュリーの手を握った時、心の中で何かが灯った。
 
 
ブコメっぽい紹介のされ方をされているようですが、これは王道の恋愛エンタ。ゾンビ版ロミオとジュリエットです。
 
いままでのどのゾンビとも違う新しいゾンビ。
 
ジュリーとゾンビ(R:仮名)を見たゾンビ仲間の心にも変化が。
 
忘れていた感覚。感情、憧憬、記憶。熱く流れる何か。
 
『感じたか、お前も』
ああ、感じたとも』
 
まだまだゾンビ映画のネタは尽きません。金かけりゃいいってもんじゃありませんし(聞いてるか、ブラピ)、低予算“だけ”が売りというのも間違った感覚(聞いてるか、コリン)。
 
イデアと創意工夫こそゾンビ映画の源です。
 

本作は音楽の使い方も絶妙。「一発カマしたれ!」という時はやっぱりスコーピオンズのあの曲なんですねえ。