今月のテレ東午後のロードショー木曜日は“サメ特集”のようなので、あやかってこちらもサメもの2連荘と行きましょう。
サメが出て来る、と聞いただけで「ああ、またお手軽CGの激安映画か」と思ってしまう昨今ですが、これはとぉても真面目な1作。
「パニック・マーケット」
(2012年/キンブル・レンドール監督)
オーストラリアの海岸線。ライフセーバーのジョシュは同僚ローリーの妹ティナに告って幸せ絶頂。
しかし、ローリーはジョシュの目の前で巨大なホオジロザメの朝ごはんに…。
ティナとも気まずくなって婚約解消(傷心ティナはシンガポールへ)。ライフセーバーからも足を洗ってスーパーのバイト暮らし。
ある日、スーパーにティナ発見。しかし横には恋人らしき男の姿が。
嗚呼、なんてこった!と思ったら強盗来訪。おまけにティナが人質に。下痢腹に浣腸じゃねえか、と嘆く間もなく大地震。
押し寄せる津波が街を飲み込んでスーパー大浸水。生存者が陳列棚によじ登って一息ついたら、店内にホオジロザメがこんにちは。
徐々に上がる水位。水面ギリギリでゆらゆらしている剥き出しの高圧線。店内でお買い物を楽しむホオジロザメ。
「ポセイドン・アドベンチャー」と「ディープ・ブルー」を足してウルトラスケールダウンした感じでしょうか。
原題BAITもシンプル過ぎてどうかと思いますが、この邦題も如何なものかと思います。
本作の良い所は、強盗犯、強欲なスーパー経営者(東洋人)、警察官、ティナの彼氏含め全員が“結構善人”だということ。
スーパー籠城と言うと「ミスト」を思い出しますが、ああいう「とっとと殺されちまえよ、このババア!」みたいな人がいないので、純粋に状況打開としてのサスペンスを楽しむことが出来ます。
サメ(1匹じゃないです)の倒し方が地味という不満があるかもしれませんが、実際にこの状況でどうにかしようと思ったら、こんなものかもしれません。
因みに製作総指揮と脚本はラッセル・マルケイです。