
『具合が悪そうね。きっと熱病よ。先生に診てもらいましょ』
『え、私は別に何とも…』
『可哀想に。でも大丈夫。すぐに良くなるからね』
まったくこれだからアメリカ(しかも南部)の田舎には気をつけろと何度も…。
「呪い村436」
(2006年/ミシェル・マックスウェル・マクラーレン監督)
日本人が“呪い村”というと八つ墓村とか湯殿山麓とか犬神の悪霊あたりをイメージしてしまいますが、本作の舞台、ロックウェル・フォールズは風光明媚な現代の集落。
地図にもちゃんと載っています。その証拠にシカゴから(不幸な)国勢調査員が訪ねてきました。
外からの客を歓待する住民。折りしもお祭り直前。
美しい景色と優しい住人。ただ、この村には何人も破ってはならない鉄の掟がありました。それは…、
“常に人口が436人でなければならない”
というもの(原題は「POPULATION 436」)。
ひとり減ればひとり補充し、ひとり増えればひとり間引く。批判する者は熱病患者として隔離され、去ろうとする者には天罰が下る。全ては神の意思。

まあ、「ウィッカーマン」「2000人の狂人」「ラスト・エクソシズム」に連なる“田舎に来た都会人がひでー目に遭う”シリーズの一作です。
密かにロックウェル・フォールズから脱出しようとしている美女コートニーを演じるシャーロット・サリヴァンが、ジェニファー・コネリーを更にクールにした風貌で作品の雰囲気作りに貢献しています。
フレッド・ダースト演じる下っ端シェリフが結構いい奴で、こういう主人公寄りな立ち位置は通常死亡フラグなのですが、彼に関してだけは“いい感じ”のオチになっていました。