
「お腹、やさしくかき混ぜてあげますからね」
念願叶った彼女との初デートで、彼女に“食べられちゃう”ってのは一般的には喜ばしい事ですが、本当に“喰われちゃう”となると、ちょっと(いやかなり)事情が変わってきます。
大学生のカネキは喫茶あんてぃくで見かける美女に一目惚れ。
友人ヒデにからかわれながらも読書好きという共通点を突破口に本屋デート敢行。しかし、その帰り道…。

彼女、リゼは“大喰い”と呼ばれる食欲と性欲(どう見てもセックスのメタファー)を同時に満たす外道グールでした。
甘い囁きの後、カネキの肩に走る激痛。霧のように舞い散る血。
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!」
すぐには捕食せず、わざと泳がせてなぶり回すリゼ。が、突然、工事現場のワイヤーが切れ、鉄骨がリゼを直撃。
カネキは急死に一生を得…たのですが、救急搬送先の先生が何をトチ狂ったか、リゼの臓器をカネキに移植。
目覚めたカネキは味覚が一変。全てが生臭く…。
グールは人間とは舌の構造が異なるので、人間の食事は生臭く感じる、というテレビ解説者の話を聞いて家にあるものを次々口にするカネキ。
食べては吐き、吐いては食べ、そしてまた吐き。グールの肉体が強靭と知り、包丁を腹に突き立てようとまでしますが…。
自分が人ならざる者になってしまったという凄絶すぎる証明。

問題はこの後の展開をどうするか。
当てもなく街を徘徊するカネキは「自分にも喰えそうな、母の手料理を思わせる懐かしい」匂いを嗅いでその元へ…。
カネキを誘った甘い香り、それは別のグールが貪っている死体の匂いでした。
そこに現れた“自分の喰い場”を主張するもうひとりのグール。今回カネキを救ってくれたのは、喫茶あんていくのウェイトレス、霧嶋トーカ。
どうやら、喫茶あんてぃくは、グールの互助会みたいな組織のようです。
「食べる勇気がないならさぁ、あたしが手伝ってやるよ」

人間なんて喰えないと泣きじゃくるカネキの口に死肉を押し込むトーカ。
やたらスピーディな展開とTV放送を考えれば頑張っているグロ描写。第1話としては十分及第点だと思います。
…にしても今期の東京は治安悪いですねえ。テロは起きる、グールは闊歩する、「東京ESP」なんかいきなり国会議事堂が空飛んでましたし…。

