7月31日にご紹介した「抗争勃発編」の続きです。
敵味方フルーツ・バスケットのバトルロワイヤルの末、生き残った二派。
又吉世喜(小沢仁志。通称:スター)率いる“那覇派”と、新城喜史(遠藤憲一。通称:ミンタミー)率いる“山原(やんばる)派”。
この二派が本土やくざの沖縄侵攻を阻止するため大同団結。沖縄初の単一連合組織“沖縄連合旭琉会”が誕生。抗争は終結したかに見えましたが…。
「実録・沖縄やくざ戦争 抗争激化編/抗争終結編」
(2002年/OZAWA監督)
新城との確執から上原勇吉(寺島進)率いる上原一家が離反。
上原一家50人対旭琉会800人、「ランボー」1作目のキャッチコピーのような状態で抗争再開。
圧倒的に不利な彼我兵力差を覆すため、上原はてっぺんである新城を殺(と)りに。
実行犯は史実に基づき“海燕ジョー”なのですが、私ら世代にとって海燕ジョーと言えば時任三郎。
え、このずんぐりむっくりした短髪のおっさんが海燕さんなんですか?
まあ、それを言い出したら、実際の又吉世喜も小沢仁志とは似ても似つかないし、新城喜史に至っては遠藤憲一のカミソリ顔とはかすりもしません。
でもまあやはりイメージというものが…。いや、いいんですけどね。
新城殺った上原は逃亡。残った人間が凄絶な殲滅戦を開始。この時の土平ドンペイ(旭琉会側ヒットマン)が凄い。
何か1発キメていたとしか思えない狂いっぷり。
一方、本土に渡った上原は、日本最大組織三代目山口組系大山組組長・松波一男から盃をもらって舎弟になるというウルトラCを敢行。
ここに上原一家対旭琉会の抗争は、単なる内輪揉めから本土対沖縄というワールドワイド(?)な構図にシフト。
おっとぉ寺島進、捲土重来の大逆襲かぁ!?と思いましたが、威信を賭けた沖縄県警が鉄壁のディフェンス。史実だから仕方ありませんが、映画的にはやや尻つぼみ。
「抗争終結編」では無理矢理時間軸を戻して小沢、遠藤の出番を作っていますが、実際には「抗争激化編」の中で二人ともお陀仏。
「仁義なき闘い」ですら後半は“消化試合”でしたから、勢いのキープと言うのはなかなかにハードルの高い課題のようです(すみません、嘘です。この後「仁義なき戦い完結篇」観直しましたが大傑作でした。劇場で観た時、5本立てオールナイトだったので、最後の方は意識が飛んでおりました)。
とは言え、沖縄やくざの興亡史をこれだけ詳細に解説してくれた作品は無かったと思うので、意義ある連作であったと思います。