デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

カーペンター版ジャーロになったはずが…。 アイズ

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原案・脚本:ジョン・カーペンター

 

もし、カーペンターが監督(勿論、音楽も)していたら、アルジェントを向こうに回す本格ジャーロになっていたはずなのですが…。

 

「アイズ」(1978年/アーヴィン・カーシュナー監督)

 

性と暴力をテーマにした写真を連発して物議を醸す女性カメラマン、ローラ・マーズ(フェイ・ダナウェイ


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彼女が出版した写真集の関係者が次々殺害され、というプロットは平凡ですが、ローラが事件の瞬間、犯行現場を犯人目線で透視する(犯人と視線がシンクロして白昼夢を見る)というのが新機軸。

 

実にカーペンターらしいアイデアですが、御大は本作に全く絡んでおりません。

 

ただ脚本を書いて売っただけ。しかも、中身(特にエンディング)は大改竄を受けているようです(当時のチラシには“3年前にジョン・カーペンターが書いた10頁の物語が発端だった”と)。

 

オープニングから編集がやっつけですこぶるテンポが悪い。キャスト見ただけで犯人丸分かりな芸の無さとまるで種明かしになっていないエンディングもマイナス。

 

オリジナル脚本でカーペンターがメガホンをとったバージョンを観てみたいです。

 

共演は事件の担当刑事役にトミー・リー・ジョーンズ(若い! 髪もズラのように豊富)、怪しい運転手にブラッド・ドゥーリフ


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主題歌はバーブラ・ストライサンド(←製作者ジョン・ピーターズの恋人だったそうな)。

 

バーブラが自分の出演していない映画に曲を提供したのは本作だけだそうです。

 

なんでも当初の主役予定はバーブラだったんだとか。この役、バーブラの狸顔で演るとギャグになってしまうと思うので、神経症フェイ・ダナウェイで良かったかも。

 

カーペンター、リメイクしないかなぁ…。


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