『所謂、瀬戸大橋って奴だ。完成は確か昭和63年。正に夢の一大プロジェクトだ』
昭和59年の日本の世相。懐かしテレビを見る醍醐味です。
「西部警察PARTⅢ/第40話・激突!!壇ノ浦攻防戦-岡山・高松篇-」(1984年2月19日放送/小澤啓一監督)
この年のもうひとつの話題-新札切り替え。11月1日の新紙幣発行に伴って市場から回収される旧紙幣(還流紙幣)120億円を巡る攻防戦。
西部警察の地方ロケと言えばタイアップ。今回は単に名前貸し、ロケ地提供では収まらないタイアップ魂を見ることができます。
まずは、下津井電鉄。
悪漢2名に追われる女性を乗せた下津井電鉄を民間人のバイクに乗せてもらって追跡する五代刑事(石原良純。勿論、ノーヘル)。
悪漢は車内から景気良く発砲。おいおい、民間人に当たったらどうするつもりだ。
更に、遮断機も無い踏切を直前横断。次の駅に先回りしたものの電車はノンストップで通過。逃すものかと飛び乗る五代。
いやあ、恐らく貸し切っているのだと思いますが、在来線でこの無茶ぶり。今なら絶対撮影できないでしょう(因みに下津井電鉄戦は1991年1月1日付で廃線)。
中盤の立役者はカトキチ(加ト吉。現テーブルマーク)山本工場。
捜査協力中に銃撃戦に巻き込まれたカトキチの西川主任はビビるどころか工場に連絡して冷凍配送トラックを総動員。
逃走車両に先回りして道路封鎖。突破されるや追撃を開始し、前後左右を挟み込んで自社のトラック置き場に誘導、西部軍団にバトンタッチするという爆走コラボを実現しました。
追いつめられた逃走車両は山県(柴俊夫)のパイソンの一撃を喰らって爆発・炎上。
クライマックスは孤島を空・海で挟む大銃撃戦。例によって、団長はヘリの上からライアット・ショットガンで遠距離狙撃を敢行しています。
ショットガンにライフル・スコープってどう考えてもおかしいだろ。スラッグ弾使っているとしてもあの体勢、あの距離、あの短銃身で犯人の銃だけ撃ち落すって…。
見所一杯、突っ込み満杯。やはりこの時代の刑事ドラマは面白い。