
『愛? これが愛なの?』
相変わらずの下品無双な展開に苦笑していると、直球の感情か居合い斬りのように混入してくるので要注意です。
「そらのおとしもの f(フォルテ)[北米版BD-BOX]」(2010年10月-12月放送/斉藤久監督)
2期の実質主役は前期、イカロス回収のために派遣されたものの、シナプスを裏切り地上に留まった電子戦用エンジェロイド、タイプβ(ベータ)ニンフ。
翼をもがれ、マスターを失い、帰る場所も失ったニンフ。智樹の家に居候しながらも募る疎外感。もし、智樹が自分のマスターになってくれたなら…。
『なに夢見てたんだろうな、あたし。エンジェロイドが夢なんて見られるわけないのに…』
『エンジェロイドが夢なんか見ちゃ駄目か? エンジェロイドはマスターの命令を聞かなきゃ駄目か? エンジェロイドは羽根がなきゃ駄目か? りんご飴舐めて泣いたり、お菓子が大好きだったり、動物園で動物見て喜んだりしちゃ駄目なのか?』
普段は脳の容量全てがエロで満たされているくせに、ここ一番では超イケメンになる智樹です。

新キャラは智樹抹殺の命を受けた極地戦用エンジェロイド タイプΔ(デルタ)、アストレア。
近接戦闘に特化させるために電算機能がいっこも積まれていない(要するにバカな)アストレアは前半、ドジっ娘としてコメディリリーフを担当しますが、終盤はエンジェロイドのアイデンティティを考える試金石に。
『俺、前にも言ったよな。それ、本当に自分で決めた事なのかよって。自分で決めろ、お前が何をしたいのか』
第二世代エンジェロイド、タイプυ(イプシロン)カオスにボコボコにされるイカロス。カオスに協力してイカロスにトドメを刺せ、とマスター(シナプスのミーノース)に命じられたアストレアに自分の意思を問う智樹。
自ら首の鎖を引き千切り、拘束の呪縛から逃れるアストレア。初めて自分で決めた闘いの行方は。
『わたしも、好きに、なっちゃったわよー!』

感情制御機能が鈍化設定されているために、恋愛感情を“動力炉の痛み”という不具合としか認識できず、機能障害の原因である智樹の記憶を削除する自動修復プログラムが起動してしまうイカロス。
『忘れたくない。怒られたことも、誉められたことも…』

ハーレム物は何かと下に見られがちですが、本作、「セキレイ」「デート・ア・ライブ」は結構お気に入りです。
※北米版BD-BOXは、全12話をBD、DVD各2枚に収録した4枚組み。BDは国コードありで強制英語字幕。DVDは字幕消去可ですがリージョン1(ジャケ裏にはリージョン1.2と書いてありますが嘘です)。
※前期のレビューはこちら↓