朗々と流れる慕情のテーマ。波打ち際を走る男と女。
このオープニングだけで、この映画のメッセージが明確に伝わってきます。
“考えるな! 感じるんだ!”
受け取れた人には至福の110分が待っています。
「グリース」(1978年/ランダル・クレイザー監督)
1977年6月のクランク・イン当時、ジョン・トラボルタ23歳、オリビア・ニュートンジョン28歳。ストッカード・チャニング(キャリー・フィッシャーという案もあったらしい)に至っては33歳!
「カオルちゃん最強伝説」なみの高校生詐欺ですが、んなこたぁ大した問題じゃありません。
妙に辛気臭かった「サタデーナイト・フィーバー」に比べて突き抜けた明るさの心地良いこと。
ジョンは可愛かっこいいし、オリビアは可憐。
公開当初は、臆面の無い弾けっぷりに鼻白んだものですが、色々開き直った今観ると透明感溢れる純粋な楽しさに満ちています。
50’s自体が最早ファンタジーに近い世界なので、“何でもあり”感が半端ありません(それがリアルかどうかなんて体験に照らして判断ができる人間がどんどん少なくなっている)。
楽曲、ダンスのみならず、構成も堅実。場面転換が早いので110分中だるみ無し。
5年後の「セカンド・チャンス」はご愛嬌。