デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

引いた。潮干狩りが出来るくらい…。 キック・アス/ジャスティス・フォーエバー

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「本当の自分など探す必要はない。もう分かっている。私はヒットガール」
 
続編を作るタイミングって本当に難しいです。
 
子供だったクロエはキャリーとなって初潮を迎え、とぼけた3枚目だったアーロン君は海軍の爆発物専門家としてゴジラと対峙するマッチョマンになってしまいました。


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完全に「ゴジラ」向けの役作り。あとは髪を切るだけ。
 
この素材をどう活かすのか。盛り付けの難しい料理になってしまった訳ですが…。
 
「キックアス/ジャスティス・フォーエバー」(2013年/ジェフ・ワドロウ監督)
 
ごめんなさい、私は駄目でした。人が死に過ぎです。
 
もう、エクスペンタブルズかよ!?ってくらい死にます。
 
一応、善悪の線引きはされていますが、きちんとした(?)マフィア組織を相手にしていた前作と違い、ボンクラ息子(レッド・ミスト改めマザー・ファッカー)の悪人ごっこなので、社会悪としての存在感が今ひとつ伝わってきません。
 
そのくせ、人だけは凄惨に死に続けるので行為と結果のバランスが滅茶苦茶。
 
クロエはヒットガールを捨て、普通の女の子になるため悪戦苦闘(ここだけ「ヘザーズ」)。ヒットガールであることを自覚する下りにカタルシスがあれば結果オーライなのですが、そういう盛り上がりも無く…。
 
両サイドとも人員増加して軍団抗争となりますが、水増し感強し。クライマックスなんか「クローズ」の喧嘩以下
 
折角ジム・キャリージョン・レグイザモというクセのある役者を呼びながら使い捨て(特にレグイザモの扱いは酷すぎ)。
 
サブキャラで立っていたのはマザー・ロシアくらいでしょうか。ほとんどターミネーターな暴れっぷりは天晴れでしたが、警官皆殺しシーンとか引きますね、やっぱり。


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警官は基本殺られ役のモブ。クロエの保護者の黒人刑事は偉そうな能書き垂れまくっていますが、ビタ一文役に立っていません。
 
ネタバレになりますが、キック・アスとして身代わり逮捕されたアーロンくんのお父さんは留置所でマフィアにリンチされた上に殺されます。警察が殺したようなものです。
 
この警察の駄目っぷりのアンチテーゼとしてジャスティス軍団を描いたのだとしたら納得できなくもないのですが、そんな素振りどこにも…。
 
冒頭の防弾チョッキ着せたアーロンくんにクロエが実弾バシバシ打ち込んでいくシーンは前作オマージュで楽しかったのですが、どこでボタンを掛け違ってしまったのでしょうか。


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※一作目の思い出に浸りたい人はこちら→「クロエにひれ伏せ! キック・アス」

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