名づけて“ザ・フィスト・チョーク・フィナーレ”。ジャケットの解説によれば、
“映画史には残らないが、あなたの記憶に残る事、間違いなし”なエンディング。
心躍るネーミングじゃないですか。ザ・フィスト・チョーク・フィナーレ。
果たしてその実態は…。
「13日の金曜日 序章」
(1981年/ジェフ・リーバーマン監督)
製作年度はallcinemaだと1980年なのですが、IMDBでは1981年になっていたのでこちらに準じます。
以前のタイトルは「序曲 13日の金曜日」。原題は「Just Before Dawn」で13金とは何の関係もありません。
ただ、大男が犯人のティーンエイジ・スラッシャーとしては13金の先駆なので“序章”を冠したくなる気持ちは分かります。
「バーニング」(1981)と同じパクリ企画なのかもしれませんが、出来はこちらの方が(13金より)遥かに良いです。
奥深い森の土地を購入した青年が仲間と連れ立ってキャンプに。
道端に佇む双子の少女。
『この辺り、双子が多いな…』(←何気に伏線)
森の入り口で『この先には行かない方がいい』と警告する森林警備員(お約束! しかもジョージ・ケネディ!)。
突然現れ「乗せてくれ!」と懇願するヒッチハイカー(お約束2!)。
樹と樹の間をこじ開けるように進むキャンピング・カーはさながら恐怖の報酬。
音楽もちょっとタンジェリン・ドリームっぽい(作曲はブラッド・フィーデル。3年後に「ターミネーター」の♪ダダンダンダダンを作る人です)。
滝が点在する絶景スポットでキャンプを始める若者たち。しかし、その背後には…。
アングルの取り方やカットの割り方が巧いので結構ドキドキします。
川でイチャつくアベックの後方(滝の後ろ)から近づいてくる男のワンカットとか後の「マウス・オブ・マッドネス」を思わせます。
設定や展開は「13金」と言うよりは明らかに「悪魔のいけにえ」「サランドラ」に近いのですが、監督は(撮影当時)どちらも観ていなかったのだそうです(「クライモリ」は絶対に本作をパクッていると思います)。
因みに監督は「スクワーム」とか「悪魔の狂暴パニック」とか撮った人。
ひとり、またひとりと消えていく仲間。そして迎えたFist-Choke Finale!
ああ、なるほど、確かに記憶には残るエンディングかも。正体は是非皆さんご自身の目でご確認ください。