デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

世界の中心でアイを叫んだグール。 東京喰種トーキョーグール♯12

イメージ 1
 
“だが、その全てを記すには、あまりにも時間が足りない。
 よって今は金木研という名の少年
 彼の心の補完について語ることにする”
 
もし、このエピソードの冒頭にテロップを入れるとしたら、こんな感じになるのではないでしょうか。
 
「間違っているのは僕じゃない。間違っているのはこの世界だ!」
 
「東京喰種トーキョーグール/第12話(最終回)・喰種」(2014926日深夜Dlife放送/森田修平演出)
 
カネキ奪還の前にアオギリの幹部ノロと会敵した四方・月山・ウタ。弟アヤトと対峙したトーカ。そして、亜門らグール対策局の前に現われた伝説のグール“隻眼の梟”。
 
広げたい放題広げた風呂敷を僅か20数分で畳む。
 
誰もが無理だろうと思い、同時にあるいはもしかしたらと期待した最終回ですが、やはり無理だったようです。
 
何とアオギリの樹アジト突入に関する描写を根こそぎカット(投げっ放し)、全ての時間をカネキの拷問と覚醒に充てるという一点集中作戦。
 
15年前にも似たような光景を見たような…。激しいデジャヴ。
 
カネキを切り刻み、再生させ、また切り刻む。ヤモリによる果てしない無限地獄。


イメージ 5
 
「ヤモリは僕の手足を何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も…」
 
遠のく意識の中に現れるリゼ。
 
「久しぶりね、カネキ君。どうしたの? ボロボロじゃない…笑える
 
リゼに導かれて過去を巡るカネキ。母との思い出。
 
“研、損をしたっていいのよ。やさしい人はそれだけで幸せなの”
 
強欲な叔母に寄生されて働き尽くめの挙句、過労死した母。
 
「傷つける人より傷つけられる人に。僕にそう教えてくれた」
 
「優しくて素敵ね。だから、こんなに遭うの…」
 
白いカーネーションが真っ赤な彼岸花に変わっていくビジュアルが強烈。


イメージ 2
 
「あなたのお母さん、本当に優しい人だったの?」
 
大切なものを選ばなければ(大切でないものを捨てなければ)どちらも失ってしまう。
 
「分かる? これがあなたの選んだ生き方。あなたの選んだ未来よ」
 
正に「終わる世界」の再現。
 
何かを守るためには何かを捨てる。自分の居場所を奪う奴は容赦しない。他者を喰らってでも生きる。


イメージ 3
 
「僕は…喰種(グール)だ…」
 
自覚。覚醒。リゼを喰らい、ヤモリを喰らい、全ての力を解放させるカネキ。


イメージ 4
 
最終回としては駄目駄目ですが、この力強さは圧倒的。せめてあと1回、全13話であったなら…。
 
2期、待っています。

イメージ 6イメージ 7←ランキング投票です。よろしければワンポチを。