ロドリゲス監督という人はとてつもなくシャイなのかもしれません。
嘘を上手につききる度胸が無いので、つい最後に「な~んつって」と照れ笑いを入れて全部笑えないギャグにしてしまう…。
ビジュアルがド派手なだけに外し方も半端無いダダ滑り感…を堪能できるほど私の心はボヘミアンではありませんでした。
一応、終わりまでは観ましたが、18分を過ぎた辺りで事実上のリタイア。
ゴメンよ、ロドリゲス。
「マチェーテ・キルズ」
(2013年/ロバート・ロドリゲス監督)
お話は007シリーズを偏差値貧乏にした「トリプルX」をさらに下品かつ荒唐無稽にした感じ。
大統領(本名カルロス・エステベスで初クレジットされたチャーリー・シーン)の密命を受けたマチェーテが、ワシントン壊滅を企むメキシコの独裁者暗殺に赴く…のですが行く先々で死体の山(公式ボディカウント101)。
マチェーテが国家権力の手先という時点で「う~む」なのですが、のべつまくなし人が死んでいく展開にすっかり食傷。
殺し方もどこかで見たものばかり。今更オッパイ・ガトリングとか出されてもねえ。
「フロム・ダスク~」でセックス・マシーン(トム・サビーニ)が使い、「デスペラード」のアタッシュケースにも入っていた例の武器をソフィア・ベルガラが使う所と、やっぱりバーにはチャンゴしかない、という所にはニヤッとしましたが…。
国内大コケ、海外収益で何とか製作費回収というのも頷ける結果です。
マチェーテを洒落で観られるのは1回が限度。続けるなら、今までの流れはすっぱり忘れて「マチェーテ対プレデター」とか「マチェーテ対人斬り以蔵」とか風呂敷の広げ方を変えないと。
その意味では冒頭に付けられた嘘予告「MACHETE KILLS AGAIN in SPACE」は良い着眼だったかも。
本編ラストでマチェーテ宇宙へ、な展開になっていたので、ひょっとしたら本気で作る気なのかもしれませんが、このネタで90分100分引っ張るのは絶対無理。
やるのならオムニバス形式にして、ロドリゲス映画やタランティーノ映画のキャラを次々ゲスト出演させるとかしないともたないと思います。
このネタはもう引っ張らない、が最善策な気もいたしますが…。