デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

あんた この世をどう思う。 必殺仕業人♯1

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あんた この世をどう思う
どうってことねえか
あんた それでも生きてんの
この世の川を見てごらんな
石が流れて木の葉が沈む いけねえなあ
面白いかい あんた 死んだふりはよそうぜ
やっぱり木の葉はぴらぴら流れて欲しいんだよ
石ころはじょぼんと沈んでもらいてぇんだよ
おいあんた 聞いてんの 聞いてんのかよ
あらぁ もう死んでやがらぁ
はぁ… 菜っ葉ばかり食ってやがったからなぁ

シリーズ中、2番目に暗く、2番目に殺伐としていて、オープニングが1番クールな必殺シリーズ7作目。

必殺仕業人/第1話・あんたこの世をどう思う」

1976116日放送/工藤栄一監督)


前作「必殺仕置屋稼業」最終話で市松(沖雅也の逃亡を許したため、中村主水は牢屋見回りに降格・左遷。

当然、収入は激減。せんとりつは傘貼りの内職に追われる日々。

季節は冬。冷たい風に雨と雪。布きれ首に巻いて白い息吐く中村主水の背中に哀愁。

捨三(渡辺篤史は前作から続投。ここにやいとや又右衛門(大出俊)、武士を捨て大道芸人に身をやつしている赤井剣之介(中村敦夫とその妻(と言うか情婦)お歌(中尾ミエを加えた5名が本作レギュラー。

主水と剣之介が出逢うシーンがいい。

 

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凍えそうな夜、一杯のどんぶりをすする剣之介とお歌。通りかかった主水に声をかける剣之介。

『お前さん、町方の役人かい? 中村主水って男を知らないか?』

殺気。間合い。居合。流れる挿入歌は「西陽の当たる部屋」荒木一郎)。

 ♪ いつわりの愛というけれど 唄い そして 笑い

   抱き寄せた俺たちの 身体に通うものは何か

   遠い昔はもう帰らない

こういうどん詰まりの青春ソングを扱わせると工藤栄一は巧い。「その後の仁義なき戦い」「ヨコハマBJブルース」「逃れの町」…皆、思うに任せない青春映画でした。

お歌が大道芸で(第1話では殺しのシーンで)爪弾く和歌も風情があります。

 ♪人買舟は沖を漕ぐ とても売らるるこの身をば 

  ただ静かに漕げ 船頭衆…

EDは西崎みどり「さざなみ」。作曲はお馴染み平尾昌晃(必殺の68%くらいはこの人で構成されていると思います)。

OP、ED、挿入歌、BGM。音楽が一番充実していた作品だったかもしれません。

因みに私がシリーズ暗いと思っている作品はこちら

           ↓ 

mandarabatake.hatenablog.com

 

 


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