『奴らを見つけ出して、必ずママを取り戻してくる。
二度と奴らに手出しはさせない』
『でも、どうやって?』
(What Are YouGoing To Do?)
『…任せておけ』
(What I Do Best)
勿論、この“Best”の意味は“Kill Them All”な訳ですが…。
戦う親父、今回は戦う(元)夫で大暴れ。
「96時間/リベンジ」(2012年/オリヴィエ・メガトン監督)
前回、誘拐された一人娘を奪還するために、親父のミルズ(リーアム・ニーソン)が築いた死体の山の身内(アルバニア・マフィア)が復讐開始。
他所ん家の娘なんざどうなろうが知ったこっちゃないが、こっちの家族に手を出した奴は八つ裂きだ、という俺様理論が素敵です。
更に、今回は作り手側も超ご都合主義な俺様理論を大展開。
別れた妻レノーア(ファムケ・ヤンセン)を事件に巻き込むために、前作ではあんなに良い人だった新しい夫を一方的に悪者に仕立てて、ヨリ戻し環境構築。
ミルズが護衛の仕事で来たイスタンブールで合流して親娘3人水入らずバケーション。しかし、そこには復讐に燃えるアルバニア軍団が…。
拉致られたのはレノーアとミルズ。移動中の音やら時間やらで監禁場所の位置にアタリをつけたミルズは、運よく難を逃れた娘を遠隔操作。
ホテル近くで手榴弾(!)を爆発させ、爆発音の到達時間から場所を特定。娘は父に武器をデリバリーするためイスタンブールを猛ダッシュ。
実に使える娘です(笑)。
正直、脚本が荒すぎて「んなアホな!」のオンパレードなのですが、時間が短い(92分)のが幸いして何とか勢いで観られるレベルにはなっています。
個人的見所はベレッタ祭り。
イントロ部分でマフィアのおっさんが92FSInoxを持っていたのを皮切りに、ミルズの使用銃も基本ベレッタ。
娘にデリバリーさせたのは、ベレッタ90-Two。
2012年現在、90-Twoはヨーロッパ市場のカタログにはなく、ベレッタUSAのラインナップにのみ、ディスカウント価格で名を残しているのだそうです。レアものなのか?
マフィアのメンバー、スコが持っていたのが、ベレッタP×4。
ベレッタ・ピストルの特徴であるオープン型スライドを廃して、フルカバー型に変更しています。
滅茶苦茶分かりにくいですが、左のおっさんが構えているのがP×4。
余談ですが、このスコとミルズのマーシャルアーツ対決、非常に見応えがあるのですが、最近の流行でチャカチャカとカットを割るので全く凄さが伝わってきません(私はボーンシリーズがアクション映画を駄目にした諸悪の根源だと思っています)。
本当に凄いと思っている(思わせたい)ならアクションは無駄に割るな。可能な限りワンカットで魅せろ。
閑話休題。ミルズとレノーアが拉致られた時にミルズが持っていたのもベレッタ…だと思ったら、トーラス(タウルス)のPT92AF(ブラジルのトーラス社が製造しているベレッタ92のライセンス生産モデル)でした。
言われてみれば、スライド側左右にあるはずのセーフティがフレーム側に。
普通にベレッタでいいような気がいたしますが、何かこだわりがあったのでしょうか。
よせばいいのに3作目も作っているみたいです。タイトルは「96時間/レクイエム」。
嫌な予感しかしない…。
勝負は運否天賦。追悼:高倉健
『左右田組の客分で花田秀次郎と申します。親分さんには何の恨みもありませんが、義理の上での勝負、お付き合い願います』
『大勢の子分を預かってる身体、そう簡単に斬られるわけにはいきませんよ』
『勝負は運否天賦。どっちが斬られても恨みっこなしってことで…』
『姐さん…おたくの親分さんを手にかけた花田秀次郎って馬鹿はあっしです』
『秀次郎さん、ここであんたを行かせたんじゃ、榊組の面目が立ちません』
『あっしはまだ幸太郎親分には本当のお侘びは済ませちゃいねえんだ。せめて顔向けのできる男にしてやっておくんない』
高倉健さんがお亡くなりになりました。
11月10日。悪性リンパ腫。83歳。
ご冥福をお祈りいたします。
上記台詞は全て「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」(1966年/佐伯清監督)から。