BDのレビューとかをチラチラ見ていたので、ある程度の覚悟はしていました。していましたが…。
この作品の裏に一体どのような“大人の事情”があったのでしょう。
ほとぼりが冷めたら是非、関係者座談会(覆面でもいい)を企画(暴露&懺悔)して欲しいと思います。
「マスター、私は…」
原作を知っている人なら誰もが、あのカタストロフと大団円を期待する出だしです。
が、メインタイトル明けからは、智樹たちのいつもの日常が延々。
ちょっと待て。総ランニングタイム50分の短編だぞ。そんなキャッキャウフフな描写に尺を取っている暇は…。
というこちらの不安をあざ笑うかのように時間は過ぎ、ラストに再び冒頭に戻って、シナプス着く前にフェイド・アウト…え?終わり?
待て待て待てい!
世界消失の原因は? 全てを手に入れたシナプス人が何度やり直しても辿りついてしまう最後の願いは?
シナプス人と同じ轍を踏んでしまう守形先輩のトラウマは?
シナプスへの道を開くために自爆特攻するニンフの覚悟は?
「だって私はあなたのお姉さんだから」とカオスと共に消失する道を選ぶアストレアの慈愛は?
見月そはらの正体は?
全てを失った智樹のとった行動は?
全部カット?
いやあ、それって、右手の小指と左耳と大腿骨1本持ってきて、人間の全体像を理解しろって言うようなものよ。
これのどこがFinal(唖然茫然)…。
正に、覚悟の斜め上行く場外ジャーマン。
で、困ったことに、指と耳と骨の造形自体は悪くないのですよ。
中間部はOVAの一編として観れば中々良い出来ですし、頭と終わりも最終回の予告編だと思えば実にそそる内容です。
でもねえ、こんな中途半端なものをFinalと銘打って劇場公開するというのは、いささか問題があるような(人の道に外れているとすら)。
三期狙いなのかもしれませんが、少々あざとすぎる商売でしたね。監督は観客に大きな借りを作ったと思います。
←本当のFinalを知りたい人は原作(18巻辺りから最終20巻)を読みましょう。