「こいつは、勿論、君のお母さんなんかじゃない。でも…君が殺っちゃいけない気がする」
初めて出逢った同類。仲間。
それは小心で涙もろく頼りになる奴でした。
「寄生獣 セイの格率/stage7・暗夜行路」(2014年11月19日深夜日本テレビ放送/稲葉友紀演出)
新一の母を喰らい父に重傷を負わせたパラサイトに心臓を貫かれた新一。
新一の心臓を蘇生(と言うか複製)する過程でミギーの細胞の一部が流出して新一の全身に分散。新一の身体能力に変化が…。
父の護衛と母の復讐に立ち上がった新一の前に現れた男、宇田守。新一と同じく寄生されながらも脳が活きている“人間”(寄生場所は顎)。
宇田のキャラクターが良い。
“人間の証”である涙を惜しげも無く流し、とにかくよく泣く。新一の身と家族に起きた事に深く同情し、号泣し、協力を約束。
パラサイト母は終始抑揚のない喋り方なので、母の中の人でも違和感がありません。いやあ、ママンのウルトラ棒読み演技には辟易していたので、ホント助かりました。
決戦直前、ミギーが眠りに落ちるアクシデント発生。本来なら、パラサイト母の最初の一撃を避ける事すらできず、お陀仏になる所でしたが、ミギーの細胞の約3割とフュージョンしてしまった新一は、驚異の動体視力を発揮。
「見える! 奴の動きが見える!」
これって「私にも敵が見える!」って奴でしょうか。
パラサイト母を圧倒したものの、トドメを刺したのは宇田。理由は冒頭の台詞の通り。
久しぶりに学校に戻った新一は、眼鏡を外し前髪を上げた“ニュー新一”にバージョン・アップ。
うーん、ワイルド。まるでアモンと合体した後の不動明な佇まい。ここいら辺のビジュアルな変化のつけ方はアニメならではですね。
お話的には今回で一区切り。次回から新しいチャプターに突入、と思ったら来週は2話連続放送の1時間スペシャル! 豪儀です。
正直言いますと、もう少し“けれん”が欲しいところではあります。どうも全体的にこじんまりした印象が強くて。いや、概ね満足なんですけどね。