謹賀新年! あけましておめでとうございます!
今年の干支は未。ひつじと言えば生贄。いけにえと言えば「悪魔のいけにえ」。
という訳で新年1発目は現時点でのシリーズ最新作を。
「悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲」
(2013年/ジョン・ラッセンホップ監督)
シリーズ3作目に「レザーフェイスの逆襲」ってのがありましたが、今回は間に“一家”の2文字が入っているのがミソ。
次元軸はリブートされた「テキサス・チェンソー」の後日談…ではなく、何とオリジナル1作目の続編。しかも(予告によれば)前作終了から59分後という「ハロウィン」~「ブギーマン」を思わせる直球地続き。
「2」以降が“なかったこと”にされているという意味では「ゴジラ」の系譜でもあります(メインキャラが悪役から感情移入可能な立ち位置に変わっている、という意味でもゴジラ的)。
マサカー唯一の生存者の通報により、現場に駆けつけた警官(役名はフーパー)。
立て篭もるソーヤー一家…の数がやたら多い。親戚筋も大集合いう状況なのか。
パパはジム・シードウ…ではなくビル・モーズリィ。窓の脇でライフル構えるボス・ソーヤーは初代レザーフェイス、ガンナー・ハンセン。
パパの後にはグランパも。流石にこれは別の役者だろうと思ったら何とジョン・デュガン御本人。この同窓会シーンだけでレンタルの元はとれます。
ガンナー・ハンセン マリリン・バーンズ ビル・モーズリィ
パパがフーパーの説得に応じてレザーフェイスを差し出し投降しようとした瞬間、自警団を気取る町の連中(予告ナレーション曰く“テキサスの野蛮人”)が大挙乱入。フーパーの制止を無視して私刑(リンチ)開始。
火炎瓶投げ込んで銃乱射。あっという間にソーヤー邸は火達磨炎上。一家は皆殺しに。
「俺たち、ヒーローだぜ!」
怪気炎をあげる野蛮人たち(色んな意味でテキサスってのは凄いところだ…)。
根絶やしにされたと思われたソーヤー一族でしたが、混乱の中ただひとり難を逃れた赤ん坊がいました。そして20年。
スーパーで働くヘザー(アレクサンドラ・ダダリオ)の元に届いた憶えの無い遺産相続通知。祖母? 祖母ならとっくに死んで…。
自分が両親の本当の子供ではないと知ったヘザーは自身の出生の秘密を探るため友人3人と共にテキサス州ニュートへ。
相続したのは売却不可の足枷がついた大邸宅。その地下には…。
生きていたレザーフェイス、ソーヤーの血を自覚するヘザー、そして20年前自警団を扇動し、今は町長に昇りつめたバート・ハートマンのソーヤー一族殲滅計画。
脚本がアダム・マーカス(「13金」を「ヒドゥン」にしてしまった「ジェイソンの命日」を監督した人)なので、反則展開はお手の物。
ただ、ヘザーの心情描写が致命的に弱い。同行してレザーフェイスに殺される友人は最初からいない方がお話しがシンプルかつストレートになったと思います。
ヘザー役のアレクサンドラ・ダダリオは顔が濃い上に巨乳なのでインパクトはありますが、いかにもティーンズ・スラッシャーにありがちなキャラなので作品全体が軽くなってしまいました。
シシー・スペイセク(キャリー)とかリリ・テイラー(ホーンティング)といった“内気で病的だけどヤル時は殺る”な感じの人にしてくれれば、展開に深みが出たのではないかと思います。
個人的“買い”は、レザーフェイスのカーニバル会場乱入。
最後にヘザーに家督を譲った祖母が映りますが、何とマリリン・バーンズその人でありました。
あまり良い評判を聞かない本作ではありますが、これはこれで立派な「いけにえ」だと思います。少なくとも「テキサス・チェンソー」「ビギニング」よりは楽しめました。
では、では、本年も宜しくお願いいたします。