
視聴は継続しているので、つまらない訳ではないのだと思います。
ただ、このワクワク感の無さは何なんでしょう。
「寄生獣 セイの格率[2クール目]」(毎週水曜深夜日本テレビ放送/清水健一監督)
こちらが先鞭なのは承知していますが、アニメとしてはタイミング的に「東京喰種」の後塵を拝する形となり、今また2クール目と「東京喰種」2期(√A)が被るという間の悪さに晒されている寄生獣。
第14話と√A第1話を観てそのあまりの温度差にちと呆然。
どちらも本人の意思に反して人ならざる者になってしまった人間が主人公。

人として苦悩しつつも、ある事件をきっかけにして能力が覚醒、人格も元の柔和な性格から冷徹なものに変化していく…。

骨子だけ見れば明らかに“同じ箱”に入る作品でありながら、印象は真逆。
違いは物語の構造そのものにあるのかもしれません。
「東京喰種」は、主人公カネキを見守る(人間の)友人、(喰種としての)仲間、反目者、そして敵が存在し、どの立場の人間にもドラマがあります。
悩み、受け入れられ、敵対し、和解し…差別という重いテーマを内包していながら、昨日の敵が今日の友になる展開には「キン肉マン」「ドラゴンボール」に通じる(ジャンプ的)胸熱さを感じてしまいます。
翻って「寄生獣」。
どこまで行っても主人公・シンイチとミギーのみ。
恋人・村野里美も、シンイチに想いを寄せる不良少女・君嶋加奈も話の輪の中には入れません(事情を説明した瞬間、ミギーに抹殺されてしまうから)。
宇田(とジョー)という同じ境遇の人間もおりますが、仲間というよりは一過性の協力者。
いつまでも孤独、どこまでも箱庭という閉塞感。視界が開けない焦燥感。
折角ここまで付き合ったのだから、最後まで継続しようとは思いますが、もうちっとはっちゃけてくれないものだろうか。