「さ、三次元イラネ、とか言ってても、だ、誰かに告白されれば、即時全面降伏の用意アリ。お、オタなんてそんなもんだよな」
「冴えない彼女の育てかた/第2話・フラグの立たない彼女 第3話・クライマックスはリテイクで」(毎週木曜深夜放送/亀井幹太監督)
桜の舞い散る坂道で運命の出会いをしたと思い込んだオタク高校生・安芸倫也は、名も知らぬ彼女をメインヒロインにしたギャルゲーの開発を決心。
明らかに発想の方向が間違っています(笑)。
企画力はもとより、画才も文才もない倫也は、美術部エース(実は隠れオタクの同人イラストレーター)の澤村・スペンサー・英梨々と、学年1の優等生(実は覆面ライトノベル作家)の先輩、霞ヶ丘詩羽に協力依頼。
実は二人とも過去に倫也と何かあったようで、文句と批判と罵詈雑言と暴力を振るいつつも“前向き”に協力を。
一方、運命の出会いをしたと思っていた少女がロクに顔も名前も覚えていない目立たないクラスメイト、加藤恵と知った倫也は唖然茫然。
「あたしって地味なんだよね…」
「違う! 加藤、お前は地味なんかじゃない! お前はキャラが死んでるんだよ! ただ単にキャラが立ってないだけなんだよ! 中途半端なんだよ! だから目立たないんだよ!」
加藤の存在感を薄めるために、敢えて加藤を映さない(見切れる、隠れる、後姿など)凝った演出。
「加藤、俺の創作意欲を返せ…」
「ゴメン。いくらなんでもその流れは理解できない」
英梨々、詩羽を交えた4人の会話が全て掛け合い漫才になっている間合いの巧さ。
キャラ立ちを学ぶために倫也の家でギャルゲーを強制プレイさせられる加藤。
加藤の反応力、適応力が半端ありません。熱過ぎ、ウザ過ぎ、失礼千万なキモオタ倫也を空気のようにハズしてスカして突っ込んで。
懐深すぎ。底無し沼のような包容力。
英梨々、詩羽を納得させる企画書を書き上げるために七転八倒する倫也。しかし、筆はビタ一文進まず。諦めかけた倫也の前に現れたのは…。
これぞヒロイン! な加藤ですが、個人的には英梨々推し。頑張って欲しいなあ。
「クリエーターが残りの日数を口にして言い訳をする時はひとつの例外も無く作業が遅れているからよ!」
録音スタジオで前回までのあらすじを吹き込む倫也にツッコミを入れる英梨々とか、アンチへの呪詛をぶちまける詩羽とかメタ構造も健在。
「本当に、なんだかなぁ、だよね」