「人混みは平気なんだ。それが統率されたオタクの集団だったらな」
それはアウェーの洗礼。
「俺の知る日本一の大行列はこんなもんじゃない。
誰も通路を走ったり、エスカレーターを歩いたり、列に割り込んだりしない。
誰もが参加者だという意識を高く持ち、
自分たちのイベントを成功させようという熱意に溢れている」
それはいくらなんでも擁護しすぎだろ、倫理くん。
「冴えない彼女の育てかた/第5話・すれ違いのデートイベント」(2015年2月12日深夜放送/岩月甚演出)
差し入れのポッキーにPC画面で「あ~ん」を要求する詩羽先輩。それを見て鉛筆へし折る英梨々。
仲間割れフラグ満載でスタートした倫也のギャルゲー開発サークル。
当面仕事の無い“メインヒロイン”加藤恵は、ヒロインらしい振る舞いの自主練。
話の流れで加藤とデート(大型ショッピングセンターの開店イベントに買い物のお付き合い)することになった倫也。
その事を知った詩羽先輩はヤンデレパワーで、ゲームのメインプロット(学園ラブコメに輪廻転生兄妹愛と異世界侵略を融合した超展開もの)を一晩で脱稿。
最高の出来と絶賛しながら、何か引っかかるものを覚えた倫也は判断保留のまま、加藤とのデートへ…行ったものの統率のとれていない一般人の群れの中でダウン。
「加藤、お前は本当に気にならないのか。この無秩序なリア充の群れが!」
しかしここで発想の転換。
施設をビッグサイトに、店舗を参加サークルと読み替えてコミケ・モードで再始動。
MAPにショップの優先順位を書き込んで、twitterの情報を確認しつつ、効率最優先の移動プランを立案。これぞ非日常スキルの日常スキルへの応用。
オタを自称しながら実はリア充。ウザイ・キモイの主人公に嫌悪の情を募らせている人も少なからずいるようですが、私は特に。
むしろオタである事に疑問も衒(てら)いも気後れもない立ち位置に敬意すら。
自分勝手で傍若無人ではありますが、英梨々の“ツインテ・ビンタ(でんでん太鼓攻撃)”をノーガードで受けきる度量と、製作資金を自らの肉体労働で賄おうとする行動力も賞賛に値します(第4話・予算と納期と新展開)。
加藤とのデート時も人ごみでは手を引いたり、買い物荷物を持ってやる程度の気配りは見せています。
今回、眼鏡屋さんで倫也が眼鏡を外すシーンがありましたが、美少年と言うよりは美少女に近い顔立ち。
眼鏡を外すと実は…はヒロインにはよくある設定ですが、まさか男(しかもオタ)でこれをやるとは。
画コンテ「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」の神戸守さんか。侮れない布陣です。