♪死ねば天国が待っているなんて奴らは言う。
でも生まれてから死ぬまでは、
奴らはお前の泣き声すら聞いちゃくれない。
だから太陽が輝くような確かさで
俺は俺の分け前を今頂く。
立ち塞がる奴らは薙ぎ倒す。独り残らず
But between the day you're born and whenyou die
あちこちの文献を参考に私なりに訳してみました。ちょっとはレゲエっぽくなってますでしょうか。
「ハーダー・ゼイ・カム」
(1973年/ペリー・ヘンゼル監督)
ジャマイカ初の国産商業映画。欧米映画が描くカリブ海とは一味も二味も違うリアル・ジャマイカ。
スモーキーな巨大スラム↓、ガンジャ、密輸、癒着、不正、搾取 etc.
田舎から都市キングストンにやってきたレゲエ歌手志望の青年アイヴァン(ジミー・クリフ)の太く短い人生。
初見は1982年6月。自由が丘武蔵野推理劇場(併映は「ロッカーズ」)。
この時は、警官二人を殺し、半年間の逃亡の末、浜辺で射殺された実在の悪党(大衆的視点では英雄)、ヴィンセント・マーティン(別名ライジン)をモデルにしている、という事実を知らなかったので、ニューシネマとも音楽映画とも言えない中途半端な立ち位置に少々戸惑いました。
ジャマイカの音楽事情にもまるで不案内なので、スタジオ使ってオーディションを受けただけのアイヴァンが何故レコードを持っているのか(いつプレスしたんだ?)、といった細かい事に目が行ってしまい、なかなかお話にのめり込めませんでした。
33年ぶりの再見でしたが、総体としての印象は大きく変わらず。あと20分切り詰めて80分強に納めてくれれば相当印象が変わっていたと思うのですが…。
ただ、主題歌の歌詞を噛み締める程度の余裕はできました。
あからさまなキリスト教批判。本作のアイヴァンも一時教会のお世話になりますが、神父と衝突して追い出されることに。
ここで神父の養女を持ち逃げ(笑)。転んでもタダでは起きないしたたかさ。神だの天国だのの話をする彼女を「夢想家だ」と批判する辺りも歌詞と連動しています。
余談ですが、黒人教会のゴスペルは日本人の理解を超越していますね。
一発キメているわけでもないのに、完全にトランス状態。のけぞり海老反り没我の境地。みんな神に逢っているのでしょうか。恐るべし宗教。