人里離れた山荘にバカンスに来た10名の男女がエライ目に遭う…その設定何回聞いたかしら?なテンプレートですが、これはなかなかに怖いです。
夜中に独りで観た後、ふっとドアの隙間から覗く暗闇なんか見ちゃうと軽い怖気に襲われるかもしれません。
「ロッジ LODGE」(2014年/トラヴィス・オーツ監督)
すれ違う車もなく、ひたすら続く1本道。4台の車が着いた先は瀟洒なロッジ。
山荘と言うと、個人の別荘か半分廃屋な掘っ立て小屋というパターンが多いですが、ここはれっきとした宿泊施設。
なので、彼ら以外にも宿泊客がいるはずなのですが、車はあるのに人の気配は無し。フロントも無人。
室内には食べかけの食事。出しっぱなしの水道。お湯を溜めたまま使った形跡の無いバスタブ。
何かおかしい…。さて、どうす…ちょっと待て、一人足りないぞ。
車はガス欠。スタンドは施錠されて使えず。携帯は圏外。ロッジの固定電話も見つからず…。
孤立したロッジでひとりまたひとりとかき消すようにいなくなる仲間。
シリアルキラーかオカルトかスーパーナチュラルか。理由も原因も説明されないシチュエーション・ホラーです。
見事なくらい金がかかっていませんが、アングルとタイミング(要するに演出)が巧みなので、飽きずに観ることはできます。
投げっぱなしな終わり方を良しとしない人もいるでしょうが、別にオチなんかなくたっていいじゃないですか(パターンとしては落合監督の「感染」に近いかも)。
活字の世界では「わたしは今、飲みかけの一杯のコーヒ 」なんていう終わり方をする小説(短編ですが)があります。不条理もひとつの定番です。
ミーナ・スヴァーリ(「デイ・オブ・ザ・デッド」)が主役っぽく表記されていますが、最初にいなくなるのがこの人。
彼女の恋人役が「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」でデレク・リースを演っていたブライアン・オースティン・グリーン(何故か胸に“みどり”というタトゥーが)。
話を転がす役割のアレックスに「バイオハザードⅡ アポカリプス」でニコライ・ソロコフ役だったザック・ウォード(下写真右。本作の製作者でもあります)。
何と言うか…マニアック(?)な布陣です。