
「思えばずっとこの日を夢見ていたのだ。
人生を捧げて奴らの忠実な犬に徹し、この地位に登りつめた。
クーデターの準備こそが生涯の趣味だと言えるだろう。
私は、この革命が人類にとって良いか悪いかなどには興味がない」
今さらりと凄いことを言いましたな、ザックレー総統。
何者かに拉致されたエレンとヒストリア・レイス(クリスタ・レンズ)。
自ら出頭し、時間を稼ぐと同時にクーデターという大勝負に出たエルヴィン。
最早、巨人との戦いは影を潜め、“この世界”の成り立ちと本質に迫る“謎解き編”。
エルヴィンの賭けに乗ったピクシス司令とザックレー総統。
あくまで人類にとって善き選択と判断したピクシス。人類など興味が無いと言い切るザックレー。では何故、ザックレーは謀反に加担したのか。
「昔っから王政(ヤツら)が気にくわなかったからだ」

ムカつく奴らのほえ面を拝めるのなら、人類なんかどうなろうが知ったこっちゃない。
素晴らしい! こういう価値観大好きです。ちょっと「デビルマン」“魔獣人面編”の
「やめろー! やめてくれ! 甲羅を剥がすと全員死ぬぞ! いいのか?!全員死ぬんだぞ!」
「だが、貴様も死ぬんだろ!」
を思い出しました。優先順位一番を定めたら、あらゆる天秤感情を無視、付随する結果の全てをスルーする交渉不能の行動原理。最高です。
一方、リヴァイらと合流したハンジは、ある事件の調査から巨人の成り立ちについてあるひとつの仮説を立てます。それは、
“巨人になれる人間を巨人が食べることによって、その能力が継承される…”
これを聞いたアルミンの脳裏をよぎる疑問。
「エレンはいつどうやって巨人になり、誰を食べて能力を得たのだろう…」
何か「1/8計画」のエンディング・ナレーションを思い起こしますね。
レイス家の秘密、受け継がれる能力と義務。エレンの父グリシャの犯した罪。操作された記憶。

核心まであと少し。
劇場実写版の“広がりたいだけ広がる地雷原”も魅力的ですが、序盤からは想像もつかない展開になってきた原作から目が離せません。