
「こんなのトレマーズじゃない!」とかいうレビューを結構見かけましたが、当たり前じゃないですか。こんなタイトルの作品がトレマーズの訳ないっしょ。
“新サスペリア”とか“新ハロウィン”とかと一緒。後ろにちゃんと“モンゴリアン・デス・ワームの巣窟”と添えてあるだけ良心的です。
B級鑑賞に必要なのは“察しと思いやり”です。
「新トレマーズ/モンゴリアン・デス・ワームの巣窟」(2010年/スティーヴン・R・モンロー監督)
原題はまんま「MONGOLIAN DEATH WORM」。
「未確認で進行形」で真白がずっ嵌った“チョコたまごUMAシリーズ”にも入っていたアレです。

上段左に並んでいるのが、モンゴリアン・デス・ワーム。
モンゴリアンな死の虫ですから当然、舞台はモンゴル。ゴビ砂漠。
勿論、モンゴルにロケなんか行っていません。撮影場所はテキサスです(保安官はテンガロン・ハット被っています)。
主人公はチンギス・ハーンの墓に眠る財宝を狙っているトレジャー・ハンター、ダニエル(ショーン・パトリック・フラナリー)。ショーンは「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険」シリーズでインディ演ってた人。
ぴったりの人選じゃないですか。
しかも、この人、地元のヤクザ(モンゴリアン・マフィア?)からの借金を絶賛踏み倒し中というハン・ソロな側面もあって、ハリソン・フォード・リスペクト満開。

マフィアとの銃撃戦の最中「志村ぁ、うしろ、うしろ」
このチンギス・ハーンの財宝を一足先に見つけちゃったのが、特殊掘削(永久凍土に熱湯流し込んで石油溶かして吸い上げる)オイル・プラントの所長さん。
とりあえず財宝はプラントの地下に隠したものの、謎の地質変化で工場のモーターが次々停止。
“ヤバイ! このままだと本社の偉い奴らが視察に来てしまう…”
謎の地質変化の原因は流し込まれた熱湯で卵が孵化したモンゴリアン・デス・ワームでした(デス・ワームはチンギス・ハーンの墓守とも言われている…という設定)。

テンパリ放題テンパッたプラントの所長。ヤクザに追われるトレジャー・ハンター。居住区に蔓延したコレラの治療をするためにやって来た女医。
その周囲に迫るデス・ワーム…という関連性があるようなないような、繋がりが良いような悪いような中途半端な脚本なのですが、この手の作品にしては“凝っている”のではないでしょうか。
CG全開ですが、デス・ワームの造形はなかなか気色悪くてGOOD。