
拒絶する子供の心を想い出料理で解きほぐす…。
“ちょっといい話”になるのは約束された鉄板プロットですが、立て続けに繰り出されるといささか食傷。
「レーカン/第3話・美味しい、卵焼きです。」(2015年4月16日深夜TBS放送/佐々木真哉演出)
父が死んで母が出産間近という親戚の小学生(男)を預かることになった井上成美。
卵焼きが好物と言うので作るのですがことごとく「不味い!」「これじゃない!」
彼が望んでいたのはお父さんが作ってくれた卵焼きの味。それはおばあちゃんから教わったもの…という訳で天海がイタコ代わりにおばあちゃんと交信してレシピ伝授。

まあ、いい話です。
「プラスティック・メモリーズ/第4話・うまく笑えなくて」(2015年4月25日深夜BS11放送/飯野慎也演出)
両親を亡くしてギフティアに育てられた少年。ずっと一緒にいられると思っていたギフティアは間もなく回収時期。
ギフティアは嘘つきだ!と心を閉ざす少年。ツカサらは死んだ母親が少年の誕生日に作ったイチゴタルトを再現して…。

まあ、いい話です。
どちらもいい話なのですが、死んだ親、残された子供、思い出の料理…あざとすぎますよね。「幸腹グラフィティ」の直後というタイミングもちょっと…。
あと、これは私の捻じ曲がった性格に起因することですが、こういうガキがいくら出てきても全く心が動かないのですよ。
「プラスティック・メモリーズ」はツカサとアイラが同居を始めた3話あたりから、テンポがた落ち、ギャグだだ滑り、設定破綻と迷走の極み。
特に期限を過ぎたギフティアは徘徊の挙句、人を襲うこともある、という設定は“なんじゃそりゃそりゃ”。そんな不良品が流通しまくっている上に強制回収もできないってどういうことよ。
「レーカン」の方はその後も安定。
「レーカン/第4話・夏といえば、海です。」(2015年4月23日深夜TBS放送/川西泰二演出)
タイトル通り、みんなで海。やけに人が少ない海岸だと思ったら、訳アリビーチ(自殺の名所)でした。

どこに行っても霊たちに守られる天海、という設定が海でも健在。

水着姿を下から覗こうとするエロ猫は海中の霊たちに引きずり込まれ、スイカ割りでは代返侍が華麗にアシスト。

水着回なのに全く作画にエロが無いという事と、自縛霊渾身のギャグが全く笑えないという2点を除けば、楽しいほのぼの霊感日常アニメでした(私は“いい話”路線よりも、こっちの不条理ギャグの方が好きだな)。