昨日の舛田利雄繋がりで。カルト中のカルトを。
「ノストラダムスの大予言」(1974年/舛田利雄監督)
原作は日本中を席巻した五島勉の大ベストセラー。諸般の事情で国内ソフト化不能な封印作品です。
以前はUS版5枚組DVD-Rというヤケクソな海賊版が出回っていたようですが、現在は入手困難。英語吹き替え短縮版VHSは入手可能ですが、amazonで15,000円超え(ヘッダー右の写真は英語吹き替え版のタイトル)。
始まりは1853年(嘉永5年)長崎。ノストラダムスの予言書を読み開国を唱える蘭学者・玄学(丹波哲郎)。
その子孫・玄啓(丹波)は第二次世界大戦末期、日本の敗戦を予言。そして現在。
環境研究所所長・西山良玄(しつこく丹波)は環境問題をエキセントリックに訴え続けておりました。
どれくらいエキセントリックかと言うと、環境大臣を囲んだ懇親会で食糧危機の現状を訴えた上で、
『人口抑制のため、弱き者、能力無き者は…』
『君! それはヒューマニズムの崩壊じゃないか!』
『いや違う! 人類を存続させる事こそ真の意味のヒューマニズムだ!』
『しかし、君の言う事はナチスを思わせ…』
『そんなお題目を唱えるよりも、まず人間がどうやって生き延びるかを考える事が第一!』
他人の話なんぞハナっから聞く耳持っちゃいません。
夢の島では巨大ナメクジが大量発生。
湖は枯渇、山は炎上、人は爛れ、家は燃え、コンビナートが大爆発。
凄いですねえ、紫外線。
更に大規模ヒートウェーブが発生して大雨、洪水。世界的食糧危機に発展!
若者は次々自殺、主婦はスーパーで略奪、地震が起きて原子力発電所大爆発!
渋滞した高速で痺れを切らした1台が滅茶ぶつけ運転の末大破&大爆発。何故か周りの車(渋滞で動いていないから玉突き事故ですらない)も連鎖誘爆してハイウェイ火の海。ついでに周りのビルも爆発して阿鼻叫喚の地獄絵図。
終盤は丹波大独演会。もし、食糧戦争が起きて、例え局地戦でも核が使われたら…という仮定の話を広げに広げて第三次世界大戦勃発!
ウルトラセブンの最終回でも流用された「世界大戦争」の各国壊滅シーンを景気よく使い回し。
世界中に放射能が降り注いで人類死滅。生き残ったのは突然変異のミュータント。
この被爆ミュータントの描写が問題視されての封印だったわけですが、今はここに原発問題とか津波被害とか色々被さってどう贔屓目に見ても国内ソフト化は無理でしょう。
挿入される預言書の朗読は岸田今日子。これだけでも夢に出そうです。
どこか(の国)でBD化してくれないんなぁ…。