“昔のやり方でも救えたものは確かにある。
ただ、それだけではきっと足りないのだ。
俺の責任 その答えを俺はまだ知らずにいる”
「君のやり方では本当に助けたい誰かに出逢った時、助ける事ができないよ」
奉仕部顧問・平塚静の助言に対する比企谷の思い。
お話はなかなか転がる気配を見せませんが、何気ない描写に人の心の動きや立ち位置の変化が垣間見られます。
ホント、丁寧に作られているアニメです。
「若いマインド的な部分でのイノベーションを」「ウィンウィンな関係を」
「ロジカルシンキングで論理的に」「ああ、それある!」(←最悪な掛け合い)
「一色いろはに対して責任を取るのは当然のことだ。
であるなら一色の他にもう一人
俺が責任を取るべき相手がいる」
それでも企画会議は迷走を続け…(ここまでが、第6話・つつがなく、会議は踊り、されど進まず。)。
文字通り“停滞”“凪”な状態ですが、比企谷の周りには微妙な変化が。
癒し系妹・小町はいつもながらの存在感。比企谷がまたひとりで荷物を抱え込んでしまった事を察した由比ヶ浜は捨てられた子犬のような不安顔。
他人の前では自分を演じ続ける一色が比企谷の前では少しずつ素に(毎回「口説いてるんですか、無理です、ごめんなさい」と比企谷をフっているが、口調が徐々にデレてきている)。
自分のやり方が通用せず落ち込む比企谷を慰めてくれるのは真正ヒロイン(?)戸塚。
「つらくても大変でも泣きごと言わないで一人で頑張ってる。そういうのカッコイイって思う」
ここんとこ出番少な目だったので、そのヒロインオーラは一服の清涼剤。
中学時代の同級生・折本かおりにも変化が。
一色に「先輩にも仲いい人いたんですね」と言われた時にちょっと前なら間違いなく「いやあ、昔、比企谷に告られてさぁ!」くらいの事は言ったでしょうが、そこを「仲良いと言うか…まあちょっとね」と濁す大人の対応を。
彼女の中で比企谷ポイントが上がってきた、という事でしょうか。
海浜総合高校の思いつきで実現してしまった“近所の小学校とコラボ”企画で駆り出されてしまった小学生の中のひとり。相変わらず“ぼっち”のようですが、比企谷には心開きそうな気配。
おいおい、総員デレまくりじゃないか(笑)。
で、問題は雪ノ下雪乃。街中での偶然の出会いも、心はすれ違ったまま。
「別にもうムリする必要なんてないじゃない。それで壊れてしまうのならそれまでのものでしかない」
それは京都で比企谷が葉山に放った言葉と同じもの。
“由比ヶ浜の無理して笑った顔や一色が時折見せる沈んだ表情、
鶴見留美が一人でいる佇まいが、
何より雪ノ下の諦めてしまったような静かな微笑みが再三問うのだ。
それは本当に正しいのかと”
さて、どうする、比企谷八幡?